生活扶助使う融資に停止勧告=選挙目的で利用した可能性=高金利で利用者泣かせ?

連邦会計検査院(TCU)が24日、生活扶助のアウシリオ・ブラジル(以下、アウシリオ)を使う融資の停止を連邦貯蓄銀行(Caixa)に勧告したと24、25日付現地紙、サイトが報じた。
問題となっている融資は「エンプレスチモ・コンシグナード・ド・アウシリオ・ブラジル」と呼ばれ、融資後の返済はアウシリオから天引きされる給与ローン型融資だ。
この融資の返済はアウシリオから天引きされるため、アウシリオが続く限り、返済遅れは起きないが、アウシリオ受給者は手取りの受給額減額で生活がより困窮する可能性がある。また、返済金利が通常の融資より高いなどの不満も出ている。
アウシリオを使う融資の返済金利が通常の融資より高い事は中銀のデータでも明白だ。アウシリオ受給者がCaixaから受けた融資の返済金利は同種のローン上限の3・5%に近い3・45%だ。
一方、年金や恩給の受給者への天引き型融資の金利は1・30~2・18%で、民間企業の正規雇用者向けの給与ローンも、51機関中45機関が3・45%以下だった。公務員向け給与ローンの返済金利は40中37の金融機関が1・06~4・35%と回答したが、Caixaによるアウシリオ受給者向けの3・45%より高いのは三つのみだった。
具体的には、アウシリオ受給者が2千レアルを借りた場合、2年後の返済完了時の支払総額は2973・36レで、月利1・88%の通常融資利用者の支払総額の2503・44レより大幅に高い。
利用者の中には、生活扶助から天引きされると知らない人や借りてから後悔する人、扶助を打ち切られても返済義務は消えないと聞き、返す術がないと悩んでいる人もいる。また、口座への入金が遅れ、他への支払いが遅れたとか、保険などの支払も要求された等々の苦情も出ている。
Caixaは21日にシステム保守を理由に、新規融資は25日朝まで停止と発表したが、TCUは同日、アウシリオ受給者への融資が選挙目的で導入された可能性を指摘し、融資停止を要請する意向を表明。TCUのアロルド・セドラス判事は24日、融資停止勧告と共に、24時間以内に釈明を行うよう、Caixaに求めた。