site.title

点字版のW杯アルバム発行=視覚障害者には無料で配布

2022年10月27日

点字版のW杯アルバム(Tânia Rêgo/Agência Brasil)
点字版のW杯アルバム(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

 カタールで11月20日~12月18日に開催されるサッカーW杯を前に、各国チームの選手写真を貼るアルバムが人気を博している。視覚障害者のための点字版アルバムも出版され、無料配布が行われていると23日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 点字版アルバムは、教育省と連携している国内初の視覚障害者支援機関「ベンジャミン・コンスタン院(IBC)」が編集・刊行し、9月23日から無料配布を行っている。
 同院のルイージ・アモリン教育担当理事によると、点字版のアルバム作成は2018年のW杯の時に生徒の一人がとった行動がきっかけだったという。
 小学4年生のクラスでの算数の授業中、長方形について教えていて、机の縁を指でなぞるよう求めたところ、サッカー好きの少年が点字を打ち込む時に使うスレートと呼ばれる道具と穴を開けるためのパンチと呼ばれる道具を使い、ブラジル代表チームのカードを貼り付けるための長方形を作ったのだという。
 アモリン氏はIBC内で教材を適応させる部門の一員でもあり、点字用の図を作成するための専門知識も持っている。息子と一緒にW杯のアルバムを完成させたばかりだった同氏は、ステッカーを貼り付けるための長方形のアルバムを作り、次のクラスの生徒達に渡す事にしたという。同氏は他の生徒達にも点字版アルバムを配り、国外にもコピーを送ったが、このアルバムは公開されなかった。
 だが、今年はIBCの設立168年記念週間の9月23日に視覚障害者の支援者達に点字版のアルバムが公開された。このアルバムには各チームにつき1ページ、選手についての説明を点字で記したページが挿入されており、画像を読み取るためのLookoutoというアプリケーションをダウンロードすれば通常のアルバム同様に写真を集めて貼り、アルバムを完成させる事ができる。
 このアルバムは最初に200部作られ、IBC内で配られた。その後に作られた3千部は、ポルトガル語を話す20以上の国々に住む、IBCが出している雑誌2種(RevistaPontinhosとRevista Benjamin Constante)の定期購読者に配られた。
 アモリン氏は、要請さえあれば全ての視覚障害者支援団体にアルバムを送る事ができるし、点字用の印刷機がある団体には編集データの使用も認めていると説明している。
 IBC付属の学校には幼児教育課程から専門教育課程までが揃っており、正規の在籍者260人が学んでいるが、早期教育や各種の対応、競技選手や失明して適応中の人、大学院生などの受け入れなどを含めると、960人に対応している。
 5年生のジョアン・ルーカス・メイレイレス・ウショア君は点字版のアルバムにより、校内がこれまで以上に一つになったと喜び、楽しんでいる一人だ。
 通常のアルバムは8月から発売されている。愛好家らは各地で交換会を開催し、重複して入手した写真を、不足している写真と交換するなどして楽しんでいる。

画像スライダー (2枚)


ジェフェルソン、4件の殺人未遂で起訴=本人も50発乱射認める=ボルソナロの追い上げムードに暗雲か前の記事 ジェフェルソン、4件の殺人未遂で起訴=本人も50発乱射認める=ボルソナロの追い上げムードに暗雲か連邦貯蓄銀行=生活扶助使う融資を中断=融資承認期間を最低5営業日へ次の記事連邦貯蓄銀行=生活扶助使う融資を中断=融資承認期間を最低5営業日へ
Loading...
点字版のW杯アルバム発行=視覚障害者には無料で配布 | 南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報