富山県人会創立60周年=第1回富山祭りも開催

ブラジル富山県人会(市川利雄会長)創立60周年、富山県・サンパウロ州友好提携35周年、富山県・サンパウロ州友好記念奨学25周年を記念した式典が、6日午前10時からサンパウロ市リベルダーデ区の愛知県人会館で開催された。式典には母県から横田美香副知事、中川忠昭県議会議員をはじめとする訪問団一行が来伯して出席。会場では県人会員や来賓など約150人が一堂に会し、節目の年を祝った。本来、同記念式典は2年前に行われるはずだったが、コロナ禍により延期され、今回の実施に至った。
富山県人のブラジル移住は、1910年に「旅順丸」で海を渡った3家族10人が草分けで、27年にはサンパウロ州ミランドポリスに第3アリアンサ富山村を開設した経緯がある。
今回、3日に来伯した訪問団一行は、5日に第3アリアンサ富山村入植95周年式典に参加後、翌6日の富山県人会創立60周年式典に出席した。
式典では、竹本政志(まさじ)副会長の開会の辞、先亡者への黙とう、日伯両国歌斉唱に続いて、市川会長があいさつ。コロナ禍で中断されていた中での式典開催について「ここに喜びと確信を持って交流を再開したい」と強調。訪問団への感謝の気持ちを表しつつ、「ブラジルと富山の絆を維持する県人子弟の思いを感じていただきたい」と述べた。
横田副知事は新田八朗県知事の祝辞を代読。1960年に創立された富山県人会のこれまでの活動に対して会員への感謝の意を示し、「ブラジルを含めた南米諸国との積極的な交流を進めていきたい」と述べた。
来賓祝辞に続いて富山県による表彰が行われ、功労賞、記念感謝状、高齢者賞がそれぞれ贈られた。功労賞を受けた前田進さん(76)は、「この上ない喜びを感じております。今後も微力ながら県人会活動に協力していきたいと思います」と謝辞を述べた。

その後、舞台上ではサンパウロ大学哲学文学人間科学部と富山県・サンパウロ州友好記念奨学生による研究発表と意見交換も行われた。
式典閉会後は祝賀会に移行し、記念のケーキカットとともに、中川県議によって乾杯の音頭が取られた。
午後2時からはリベルダーデ区の東洋文化会館で「第1回富山祭り」も開催された。会場では医薬品や日本酒など富山県の名産品の紹介・展示のほか、とろろ昆布おにぎりの試食や折り紙のワークショップなどが行われていた。