連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第73話
慶君は名古屋に生まれ、母、千容子、兄、洋が家を継ぎ、父は八〇年代の初めに亡くなっている。彼は日本大学農獣医学部在学中に一度ブラジルで農業体験研修をしていたので、もしチャンスがあればもう一度ブラジルで生活してみたいとの希望で、その方法を探していた。その頃、熊本に本社のある、南九州コカコーラボトラーズ社がサンパウロ州に農場を持っており、同社の派遣社員として、かれこれ十五年近くブラジルと日本で働いてきた。
そして絵理子は国士館在学中も積極的に物事にぶつかり体験して自分をみがいて来たようである。例えば、京都で行われた世界剣道大会の親善大会にブラジル代表で参加したり、大...
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