米州開発銀行、ゴールドファイン氏が総裁に=テメル政権時代の中銀総裁

米州開発銀行(IBD)総裁に13日、元中銀総裁のイラン・ゴールドファイン氏が選出された。米国に本部を置く同銀行で初のブラジル人総裁となる。20、21日付現地紙、サイトが報じている。
総裁選出は同行の内部選挙で行われ、ゴールドファイン氏の他に4人の候補がいたが、アルゼンチンのフェルナンデス大統領が同国の国際経済関係長官のセシリア・トデスカ・ボッコ氏の出馬を取り下げ、ゴールドファイン氏支援に回ったことで有利となった同氏は初回投票で80%を得て当選した。ゴールドファイン氏は同行株式の30%を持つ米国が希望した名前だ。ブラジルとアルゼンチンは同行株式の11・4%ずつを持っている。
ゴールドファイン氏を推薦したのはパウロ・ゲデス経済相だった。ゴールドファイン氏はテメル政権時代の2016年に中銀総裁に就任し、ボルソナロ政権でも2カ月間、総裁を務めていた。
だが、ゴールドファイン氏の指名にはルーラ次期大統領の労働者党(PT)が難色を示していた。それはゲデス氏の推薦があったことに加え、「蓄財型」のイメージのあるゴールドファイン氏が開発型のIBD総裁にはふさわしくないと考えたためだ。
以前のルーラ政権で財相を務め、政権移行スタッフでもあったギド・マンテガ氏は、「ルーラ氏が希望する人物をあげるまで選挙を延期してほしい」と願ったが、これに市場が反発。マンテガ氏は移行スタッフ辞任にも追い込まれた。結局、ルーラ氏自身は「反対はしない」との表明を行っていた。
総裁当選後、ゴールドファイン氏は「ブラジルの次期政権とは調和を保っていきたい」として、ルーラ政権に積極的な姿勢を示した。
ジェラルド・アルキミン次期副大統領は20日、ゴールドファイン氏の当選を祝福し、「ルーラ氏は必ずIBDとの関係を強化していく」と前向きな展望を語った。ゴールドファイン氏の就任は12月19日となる。