移行PEC、上院憲政委員会が承認=枠外1450億レ、2年で=同本会議経て下院送致

上院憲政委員会(CCJ)は6日、政権移行に際しての憲法補則法案(PEC)を承認した。原案の時点で懸念された歳出上限の対象とならない額を押さえることや期間短縮などを条件として通過。ボルサ・ファミリア(BF)と再改名する生活扶助の600レアル支給継続に向け、前進した。6、7日付現地紙、サイトが報じている。
今回の政権移行PECは、国の財政支出に長期かつ大きな負担がかかること、ルーラ次期大統領が歳出上限に関して消極的な考えの持ち主であることから連邦議会内での反発が強かった。
とりわけ反対が出ていたのは、政権移行スタッフが原案で出していた「BF用の1750億レアルを含む1980億レアルを歳出上限枠外の支出とする」という点だ。これに対してはタッソ・ジェレイサッチ上議(民主社会党・PSDB)が、「800億レアルに抑えては」との代案を出していた。
結局、上院CCJでは政権移行スタッフ側が譲歩する形でPECが承認された。CCJは、「BF向けの歳出上限枠外支出1750億レアルをBF向け700億レアル、その他の社会政策用750億レアルの計1450億レアルとする」「BFを歳出上限枠外とする期間を4年から2年に短縮する」「PEC承認後の新たな財政体制に関する提案の提出期限を1年間から8カ月間に短縮する」ことを条件として承認を行った。
1450億レアルという数字は、ジウマ政権で財相を務め、政権移行スタッフのネルソン・バルボーザ氏が提示した代案の1360億レアルに近い。この数字はボルソナロ政権が今年記録すると見られる歳出上限枠の超過支出額で、この代案は市場にも好評だった。
これにより、来年1月からのボルサ・ファミリアの600レアル支給の継続、6歳未満の子供がいる場合の150レアル追加支給は行われる方向で前進した。この600レアルの支給継続問題は、ボルソナロ大統領が選挙対策として、ルーラ政権時代に始まったBFを「アウシリオ・ブラジル」と改名し、従来は110レアルだった支給額を400レアル、後に600レアルと増額したことで起きていた。ボルソナロ政権が提出した予算案では、来年1月からの支給額は405レアルに設定されている。
また、1450億レアルに減らされることでBFの支給に支障が出ることもない。それは、8月に提出された予算案にはBF用に1050億レアルが計上されているためで、不足分の700億レアル以外は、大衆薬局の維持や住宅手当、学校給食の補助金や最低給与の調整準備金などにもあてられることになる。
上院CCJを通過したことで、予算案審議の報告官のアレッシャンドレ・シルヴェイラ上議(社会民主党・PSD)は7日にも、同PECを上院本会議での投票にかけようとしている。PECの承認には、81人の上議中49人以上が2回賛成しなければならない。
このPECは今月下旬に審議される2023年の予算法案(PLOA)の前に上下両院で、議席総数の5分の3以上で2度ずつ承認される必要がある。