選挙高裁=PLへの罰金適用を継続=反民主主義的行為否めず=大統領への厳しい対応続く

【既報関連】ボルソナロ大統領が所属する自由党(PL)が大統領選の決選投票で使われた電子投票機の約6割には不審な点があったとして、これらの投票機で投じられた票を無効化するよう求めた件に関し、選挙高裁は15日、同党に科した2290万レアルの罰金適用を継続する事を決めたと同日付現地サイトが報じた。
PLへの罰金は、同党が選挙での不正を疑わせるような証拠を提示する事もなく、電子投票機や投票結果への不信感を煽る反民主主義的行為を行った事に対するもので、当初は同党と連立を組んでいた共和者や進歩党にも科せられていたが、共和者と進歩党が自分達はこのような動きには加担していないと訴えた事で、PLのみに科される事になった。
選挙高裁のアレシャンドレ・デ・モラエス長官は、罰金を払い終えるまでは同党の口座を凍結する事なども命じている。
PLはこれに対し、「ブラジルの選挙プロセスに混乱を引き起こすつもりはなく、いかなる種類のイデオロギー運動も助長する意図はなかった」と弁明した。
だが、15日の全体審理では、電子投票機の安全性は実証済みであり、PLが電子投票機に関する訴えを裏付ける証拠を提示していない事や、選挙制度や選挙プロセスに対する批判は民主主義国家に弓引く行為であり、公的資金による援助を受けている政党が言論の自由を理由に民主主義国家の本質を揺るがす行為を行う事は認められない事などを理由に、罰金の適用継続は正当と判断した。
15日の審理は満場一致ではなかったが、報告官であるモラエス長官の見解と異なったのは、罰金額の計算方法の変更(減額)と政党資金などの凍結額を引き下げる事を訴えたラウル・アラウージョ判事1人だった。
選挙高裁は13日、7月に開催した各国大使を集めた会合でのボルソナロ大統領の言動に疑問を呈した民主労働党(PDT)の訴えを選挙高裁が継続して扱う事を決定。ボルソナロ大統領による選挙システム攻撃や、選挙目的と見られる各種の扶助支給や増額は違憲とのルーラ陣営が起こした訴えに関する捜査開始が14日に決まるなど、大統領には厳しい状況が続いている。