HRW=ブラジルの民主主義への攻撃増を指摘=警官による暴力なども懸念
国際的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチング(HRW)が12日、警官による暴力や民主主義への攻撃などが増えた事への懸念を表明したと同日付現地サイトが報じた。
HRWブラジル事務所のマリア・ラウラ・カニネウ氏は、人権侵害の責任の明確化は人権保護の基本と強調し、ボルソナロ政権では最高裁や報道機関などの諸機関への攻撃が増え、民主主義が脅かされたと語った。
特に、22年の選挙期間中は、選挙制度への信頼感を損なおうとするなどの民主主義に対する攻撃が増えたと指摘。政治的な動機での殺人事件や政治的リーダーへの脅迫の増加も指摘した。
また、21年は警官による死者が6145人出た事や84%は黒人系であった事にも触れ、大半は不当な権力行使だったと指摘。リオ市での作戦で起きた大量死や追跡捜査の不足にも言及した。
報告書では、ボルソナロ氏や前政権関係者が1964~85年の軍政下での迫害を称賛した事などに触れている。また、環境や先住民関連では、監査活動が弱体化した事や森林伐の増加、環境活動家や伝統的なコミュニティへの攻撃の増加も指摘している。