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空軍が金不法採掘撲滅支援=ヤノマミ族居住地で特別作戦=最高裁も犯罪行為の捜査命令

2023年2月2日

ヤノマミ・シールド作戦に参加する空軍機(Johnson Barros/FAB/Divulgacao)
ヤノマミ・シールド作戦に参加する空軍機(Johnson Barros/FAB/Divulgacao)

 【既報関連】金の不法採掘を行う金鉱夫の侵入激化で病気や栄養失調が蔓延し、4年間で5歳未満児が最低570人死亡という惨状が報じられたロライマ州のヤノマミ族居住区で、空軍による特別作戦が始まる事が1月31日付連邦官報に掲載されたと同日付現地サイトが報じた。
 ヤノマミ族の居住地は960万ヘクタールで、約3万人が住んでいる。居住区での金の不法採掘(ガリンポ)や金鉱夫による犯罪行為は何十年も前に始まり、先住民やメディア、人権団体などによる告発も続いているが、金鉱夫は減らず、2万人を超えている。
 ガリンポの影響は金の精製で使う水銀による川の汚染や土地略奪による農作地減少、マラリアなどの近代病侵入などの形で深刻化。居住地の川は魚も住まない死の川と化し、貴重なタンパク源の喪失と農作物減少は栄養失調蔓延なども招いた。
 ヤノマミ族の窮状は統一選挙後に行われた政権移行作業でも指摘されていたが、1月に派遣された調査団の報告で前政権が提供したデータを遥かに上回るマラリア患者や栄養失調者がいる事が判明。
 先住民保護や不法な金採掘撲滅はルーラ政権の公約の一つで、大統領や閣僚による現地訪問や医療従事者の緊急派遣、空軍による食糧輸送も行われた。
 そこに加わったが、空軍によるヤノマミ・シールド作戦2023だ。不法採掘の金などを運ぶ航空機がヤノマミ族の居住地上空を頻繁に飛び交っていた事は1月29日付現地紙でも報じられたが、空軍は官報掲載の大統領令に基づき、北部地域の空域に防空識別圏(Zida)を設定し、航空機の航行を監視する。
 同識別圏内は新作戦参加機のみが航行可能な禁止地区(赤)、制限地区(黃)、自制地区(白)に分けられ、規定に従わない航空機には航路変更要請、強制着陸命令が出る。それでも従わないと砲撃される可能性もある。
 先住民居住区での金属などの採掘はボルソナロ前政権の監視体制が骨抜きとなった事を受けて急増。2015~20年に売買された不法採掘の金は229トンだが、21年は全体の54%にあたる52・8トンが不法採掘で、欧米諸国が金の輸入を制限し始めた。
 1月31日は最高裁も、連邦検察庁、軍検察局、法務省、ロライマ州の連警に、先住民居住地を巡る前政権の対応にジェノサイドや不作為その他の犯罪行為の可能性があったか否かを含めた捜査を行う事を命令している。


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