連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第130話
・九月五日 黒木家の春のみたま祭りに己知治と美都子さんもやって来た。
己知治(六十八才)の体が余り良くない様だ。今頃は日本からの焼酎に浸って、生活の全てが酒に優先される。痛風であれ程までに痛い目に会っているのに、まだ酒は止められない。運動もほとんどやっていないようなので、これでは体調は一度に悪化するばかりだ。金があるから、金が災いしている。いつでも何の制約なしに呑めるからだ。自分でも分っているはずだ、だけど自分に負けている。どんなに金があってもすぐ死んでは金持ちになった意味がない。自分の意志で自分をコントロール出来ないのなら、禁酒施設に入れる事を皆で話し合ってい...
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