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21年の死者は過去最多=出生数は減少も人口は増加

2023年2月18日

墓地を訪れる人々(Arquivo/Tomaz Silva/Agencia Brasil)
墓地を訪れる人々(Arquivo/Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 地理統計院(IBGE)が16日、パンデミック2年目の2021年の死者は前年比で18%増え、約180万人に達したと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。死者数は1974年の統計開始以来、最多で、増加率も過去最高だという。
 新型コロナのパンデミック1年目の2020年の死者は前年比で14・9%増の約150万人で、この時点での過去最高だったが、21年の死者はそれを27・3万人上回り、新記録を更新した。
 保健省の統計によると、21年の新型コロナの死者は42万4107人で、20年の19万4949人を117・5%(22万9158人)上回ったが、21年の死者は20年を27・3万人上回っており、新型コロナ以外の理由の死者や、新型コロナによる死とみなされる期間を過ぎてから亡くなった人も前年より増えた事を示している。
 また、21年の死者は、40~49歳が前年比で35・9%、50~59歳が31・3%増えたが、70~79歳の死者と80歳以上の死者の増加率はこれらの年齢層より小さかったという。
 この傾向は、21年に始まったワクチン接種の対象が、最初の内は高齢者などに限定されていた事とも関係があると思われる。
 21年の死者を2019年と比べると、死者の数は46・9万人(35・6%)増えている。パンデミックが起きる前の2010~19年の死者増加率は平均1・8%だった。
 死者の増加が目立つのは21年上半期で、月間の死者が最多だった3月(20・25万人)は前年同月比で77・7%増を記録したが、7月以降は死者数が減り始め、9月からは前年同月を下回るようになった。
 今回の調査を担当したクリヴィア・ブライネル氏は、「公衆衛生上の方策が取り入れられた事やワクチン接種のためのキャンペーンがパンデミックやその後の影響を後退させたようだ。ワクチン接種の進展と死者の減少は明らかな相関関係がある」と語っている。
 死者の推移を地域別に見ると、19~20年の死者増加率が最も低かった南部では、20~21年に死者が30・6%増えた。20~21年の増加率は中西部24・0%、南東部19・8%、北部12・8%、北東部7・1%と続く。19~20年の死者増加率は北部の26・1%が最大だった。
 他方、出生数は前年比で1・6%(4・3万人)少ない260万人で、集計方法が変化した2003年以降で最少だった。出生数減少は3年連続で、19年は3・0%(約8・78万人)、20年は4・7%(約13・3万人)減少した。
 パンデミック前の2015~19年の年間出生数の平均は290万人だった。これと比べると、21年の出生数は23万2625人(8・1%)少ない。
 3年連続での出生数減少は、パンデミック前から見られていた出生率と妊娠率の低下とも関連している可能性があるが、パンデミックの間は、感染やその後の後遺症などへの不安が募り、妊娠を先延ばしするカップルが増えたといわれている。
 月間出生数最多は3月の23・9万人で、3年連続の最多月となった。2番目は5月の23・73万人で、最少は11月の20・4万人だった。
 出生数の減少率が全国平均を上回ったのは南東部の4・0%と南部の3・1%で、中西部の1・%は平均を下回った。北部と北東部では、出生数が各々、4・3%と0・1%増えた。
 出産時の母親の年齢も変化しており、20~29歳は2000年の54・0%が2010年53・1%、21年49・1%と減少。他方、30~39歳は00年の22・0%が10年26・1%、21年33・8%と増えている。
 21年の婚姻成立数は93・25万件で、20年より23・2%増えたが、パンデミック前の数字には戻っていない。同性婚は前年比で43・0%増の6433件だった。
 他方、一審または裁判外の行為で認められた司法離婚は38・68万件で、前年より16・8%増えた。2011年比だと45・4%増えている。
 21年の場合、20歳以上の人1千人あたりの離婚率は2・49で、20年の2・15/1千人より増えた。特に目立つのは未成年の子供の親権を共有する離婚で、2014年の7・5%に対し、21年は34・5%と急増している。


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