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歳出上限代替法案=正式発表前の詰めの段階へ=議会と相談、PTから圧力も=ルーラ氏の訪中前に発表か

2023年3月21日

ハダジ財相(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
ハダジ財相(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 フェルナンド・ハダジ財相(労働者党・PT)は17日、歳出上限に代わる新たな財政法案をルーラ大統領(PT)に提出した。だが、そこでは具体的な結果や結論は出なかった。この案は連邦議会のリーダーたちとの会議を経た後に発表される見込みだ。17日付CNNブラジル(1)などが報じている。
 17日の会議には、ルーラ大統領、ハダジ財相、ルイ・コスタ官房長官、エステル・ドウェック公共サービス管理革新相(以上PT)、商工開発相兼務のジェラルド・アルキミン副大統領(ブラジル社会党・PSB)、シモーネ・テベテ企画予算相(民主運動・MDB)の6人が参加した。
 ハダジ財相は15日の時点でルーラ大統領に草案を見せており、アルキミン副大統領もこの週に既に草案を受け取っている。同財相は、「判断を行うのは大統領」として、内容の詳細をルーラ氏より先に明らかにすることを避けている 。
 この会議でハダジ財相が大統領から告げられたのは、「より内容を深めて、政財界との対話を進めること」と「複数の項目が経済に与えるインパクトについて計算し直すこと」で、上下両院議長との対話も求めた。
 同案に関する話し合いは20~21日も行われる予定だ。また、20日付G1サイトによれば、ハダジ財相は同日中にアルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)やロドリゴ・パシェコ上院議長(社会民主党・PSD)と連絡を取って代替案を手渡し、話し合いを行う意向だ。下院政府リーダーのジョゼ・ギマリャンエス下議と上院政府リーダーのジャッケス・ヴァギネル上議(共にPT)には20日朝、同法案が手渡されている。
 ハダジ財相は、この法案の連邦議会への提出を、24年度の予算指針法案(PLDO)の提出期限日である4月15日までに行いたいと語っている。
 17日の会議に参加したテベテ企画相は、代替法案は「バランスが取れたもので、多くの人が好感を示している」と語っている。ハダジ氏も10日、CNNブラジルの取材を受けた際に、「エコノミストや専門家の受けはいい」と語っている。
 ハダジ氏はその際、「ひとつ言えるのはこの新法案は負債に関するものではないということだ。そのようなものが通用するとは思えない」と語っている。歳出上限法を公的負債の対処法にしようとの案は、一部エコノミストたちから上がっていたものだった。
 この新法案に関するハダジ財相の課題は、歳出上限をなくして保健や教育などの投資を強化する際、国家財政のバランス規律をどう保つかだ。
 この点に関して、ハダジ財相に圧力をかけているのはPTだと報じられている。19日付フォーリャ紙によると、同党のグレイシ・ホフマン党首は18日にネットで行った投稿で公共投資の増大を強く主張。関係者からはハダジ氏を牽制するものと受け止められている。また、PTの閣僚にも、自身の受け持つ分野での投資が制約されることを恐れている人たちがいるという。
 ルーラ氏は、中国訪問に向かう24日までに同法案を発表したいと考えているようだ。


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