サンパウロ市セントロ=麻薬常用者たちの窃盗続く=クラコランジア問題が深刻化
7日、サンパウロ市セントロのクラコランジアで、麻薬常用者たちが大挙して薬局に押し入り、窃盗騒ぎを起こした。このところ同様の被害が続いており、市による対処が求められている。7日付G1サイト(1)などが報じている。
被害にあったのはサンジョアン大通りにある薬局で、7日朝、警察の掃討作戦の直後に10数人の麻薬常用者たちが侵入し、商品を盗んでいった。この様子を写した防犯カメラでは常用者たちが我先に商品を奪いあい、群れをなして逃げていく姿が見られている。
結局、この時はかけつけた警察官がその内の2人を逮捕。10日現在の逮捕者は5人となっている。
近隣住民によると、クラコランジアでは、スーパーマーケットやレストランなどでも同様の事件が頻発しており、9日の朝起きたレストラン襲撃では33歳の男性が盗みの現行犯で逮捕されている。
クラコランジアはサンパウロ市ルス区で麻薬常用者が常時見られる地区をさし、現在も約650人の常用者が居ついているが、取り締まりの強化などで2017年頃から常用者が拡散している。昨年の調査では、より小規模なクラコランジアがサンパウロ市内150カ所以上に広がったといわれている。
こうした問題に対処するため、市役所ではルス区の麻薬常用者を中心に、収容、更生を進めるレデンソン・プログラムを展開しているが、最近の窃盗、強盗事件などの増加により、強制入院を求める声が再び強まっているという。