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サンパウロ市=中央部で相次ぐ商店の閉鎖=コロナ禍の影響や治安悪化で

2023年4月18日

「貸します」の張り紙が増え、人通りもまばらな通り(Frame TV Brasil/Agência Brasil)
「貸します」の張り紙が増え、人通りもまばらな通り(Frame TV Brasil/Agência Brasil)

 サンパウロ市中央部で商店街として栄えていた地区で商店閉鎖が相次ぎ、かつてのような活気が見られなくなったと15日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。

客の入りは3年前の60~70%になったとされるサンタイフィジェニア街(Rovena Rosa/Agencia Brasil)
客の入りは3年前の60~70%になったとされるサンタイフィジェニア街(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 様変わりしたと報じられた通りの一つはバロン・デ・イタペチニンガ街だ。何十軒もの店のシャッターが閉ざされ、「貸します」の張り紙が目立つ。
 1986年から雑誌や新聞を売る屋台を出しているパウロ・ペレグリニ氏によると、短期間に様子が変わり、開店している店は8割に過ぎないという。
 20世紀の初期から町の象徴とされていたエディフィシオ・ジョアン・ブリコラは、各種の店が入っている多目的ビルで、最後に営業を始めた店は、3月に閉店するまで19年間、同ビル内で営業し続けていた。かつての同ビルを知る客は、全部の階が様々な品を扱う店で埋まり、まるでショッピングセンターで、欲しいものは何でも揃ったという。
 同様の歩みを繰り返しているのは女性服の店で知られたジョゼ・パウリノ街で、店は開いているものの、かつてのような賑わいは見られない。売り子の一人は、「人の動きはぐんと減った。どの店の人も同じことを言っている」と語っている。
 電気用品の店で知られるサンタイフィジェニア街も、3年前を100%とするなら、現在の客の入りは60~70%だという。
 こういった状況はコロナ禍による深刻な経済危機が原因で、多くの店が閉鎖を余儀なくされた上、路上生活者も増加。PIX導入後に携帯電話を狙う窃盗や強盗事件が急増したことなども含めた治安の悪化も深刻で、麻薬常用者がたむろする犯罪多発地区を示すアプリまでできている。
 専門家は、路上生活者の増加も含めた問題解決には、警官増員よりも住宅政策や雇用政策を優先することが必要で、麻薬常用者に対するケアや更生への取り組みも継続すべきと説いている。


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