財務省、ネット個人取引課税を断念=中国系サイト利用

外国サイトを通した個人間のネット売買に関して、財務省は50ドル以下の商品への課税を主張していたが、ルーラ政権は18日にそれを諦めた。国民からの強い反発を受けてのものだった。Ⅰ9日付CNNブラジル(1)などが報じている。
現在の法律では、マーケットプレイスのような個人間取引で50ドルまでの商品を外国サイトで購入する際は非課税で、その金額を超えるものや、企業との取引には課税される。ハダジ財相は50ドル以下の商品にも課税することを希望していた。
その理由の一つは、「シーイン(Shein)」「ショッピー(Shoppe)」「アリエクスプレス(AliExpress)」といった中国系のネット企業の商品購買時に不正などが多発していたためで、脱税防止対策のための監視強化と課税を考えていた。財務省は9日、50ドルまでの商品への免税措置を撤撤廃するように法改正する意向だと明言していた。
当初はこの課税により、少なくとも80億レアル相当の税収増が見込まれていた。税収増の可否は、ハダジ氏が現在進めている財政均衡法案承認後の財政健全化にも関わることでもあった。
だが、この非課税措置撤廃の発表は国民の間で強い反発を受けた。とりわけ、低所得者層からの受けが悪かった。
世論調査団体クアエストが13〜16日に行った世論調査では、ルーラ政権の支持率が40%から36%に落ち、不支持率が20%から29%にあがったが、その理由にこの課税の件をあげた人が16%いたという。
低所得者層からの支持を最も気にかけるルーラ政権としては、背に腹を変えられず、従来の基準を維持することとなった。
ただ、CNNブラジルは、今までは個人間売買という抜け穴を利用して非課税で販売していた小売業者に対し、税務当局が取り締まりを強化することは必至で、その結果、小売業者が正規の税込み価格で販売すれば、ネット価格が2倍になることも考えられるとしている。