ルーラ大統領=ウクライナ問題で発言変更=ルーマニア大統領との会談で

【既報関連】ルーラ大統領が18日、ルーマニアのクラウス=ヴェルナー・ヨハニス大統領と会談を行い、ウクライナ問題で発言を変えたと18日付G1サイト(1)(2)(3)などが報じた。
ヨハニス大統領は夫人同伴でブラジルを訪問しており、ルーラ氏もジャンジャ夫人と共に夫妻を迎えた。
ルーマニアとブラジルは95年前から国交を結んでおり、18日の会談でも両国間の関係強化について話し合われた。
ルーラ氏によると、ブラジルはルーマニアにとり、欧州以外では最大の食糧供給国だ。他方、ルーマニアは農業で欧州でも際立った業績を上げているため、ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)とルーマニア農林科学アカデミーが交流する可能性は有望だという。
農業以外で注目されたのは防衛問題で、エンブラエルとルーマニアの航空宇宙部門の企業との間の科学的及び技術的な協力やビジネスで大きな可能性があるという。
今年はブラジルの連邦議会がルーマニアの議会との交流促進を試みており、二カ国間の関係を強化するために重要な役割を果たす可能性も出ている。
ルーラ氏はこの会談が両国間の交易関係などの発展、強化につながるだけでなく、メルコスルと欧州連合の貿易協定締結の追い風となることも願っている。2022年の貿易額(輸出額+輸入額)は前年比で18・1%増の7・469億ドルで、ブラジル側が5770万ドルの黒字を計上している。
なお、ヨハニス大統領はこの日、ウクライナ問題にも触れ、諸外国はウクライナを支援するべきだと発言。これを受け、ルーラ氏は「ブラジルはウクライナの領土保全の侵害を非難している」とし、戦争の政治的かつ交渉による解決を擁護する姿勢を示した。この発言は、ウクライナにも非があるとしてきたこれまでの発言よりも口調が和らいでいるが、それでもまだ、ロシアを直接批判することは避けている。
ウクライナ問題に関するルーラ氏の発言は国内外から批判されており、G7の外相会議でもロシア批判が強まる中でも、同国批判を避ける姿勢は諸外国と立場を異にしている。