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Selic=全会一致で現行金利維持=国内外の事情挙げて説明

2023年5月5日

Selicの推移(4日付エスタード紙の記事の一部)
Selicの推移(4日付エスタード紙の記事の一部)

 中銀の通貨政策委員会(Copom)が3日、連邦政府などからの圧力に屈せず、全会一致で経済基本金利(Selic)を年13・75%で維持することを決めたと同日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)(4)(5)(6)などが報じた。
 現行金利が高過ぎ、経済活動を阻害しているという声は産業界からも出ているが、中銀は国内外の事情を現状維持の理由に挙げた。
 理由の一つは国外の動きで、米国で続く銀行の経営破綻などに見る不確実性の高まりや、米国での金利引き上げといった、主要国でのインフレ抑制策継続などにも言及した。
 国内事情では、経済活動に関する指標は労働市場が回復傾向にあることを示す一方で、Copomが予想する減速のシナリオを裏付けてもいると説明。
 また、中銀は24年の広範囲消費者物価指数(IPCA)を目標値以内に抑えることを目指しているが、種々のインフレ指標はインフレ目標達成に見合う範囲を超えたままであるとも語った。経済動向予想調査「フォーカス」による今年と来年のインフレ予想は6・05%と4・18%で、今年は目標上限の4・75%を超過。来年も上限の4・5%に近い。
 インフレ抑制につながる可能性があるとされていた財政均衡法案についても、機能し始める時期や経費をコントロールする方法などの不確定要素があり、公的負債削減やインフレ抑制への効果を測れないとしている。
 カンポス・ネット中銀総裁は、財政均衡法案提出後の議会の公聴会で、借金を抱えている人への貸付の返済金利が高いことを挙げ、国の負債を減らすことが金利やインフレを下げることにつながるとの見解を示していた。
 ルーラ大統領は会合後、改めて高金利への批判を繰り返し、労働者党(PT)のグレイシー・ホフマン党首も「大量虐殺的金利」と語ったが、市場関係者は会合前から6度目の現状維持と見ていた。
 ただし、昨年中は8月以降と見られていた金利引き下げ開始が更に遅れる可能性は大きくなり、サンタンデール銀行は、11月から少しずつ下がり始め、今年末は13%、来年末は11%との見通しを示している。
 Selicが高いと投資系ファンドなどの利率も高くなるが、融資やローンの返済金利も高くなり、企業や消費者の懐を圧迫する。


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