Fiocruz=子供の呼吸器疾患増加警告=新型コロナの影響は軽減も

オズワルド・クルス財団(Fiocruz)の4日付週報によれば、コロナ症例は減少傾向だが、子供の呼吸器疾患が急増中で、A、B型のインフルエンザの症例も増えていると同日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)などが報じた。
ブラジル全体で見れば、今年は1万9250件のSARS症例が報告されており、内インフルエンザAが4・2%、同Bは4%、呼吸器合胞体ウイルス(RSV、ポ語はVSR)は37%、新型コロナが44%となっている。
その内、子供に限定すると、過去4週間の重症急性呼吸器症候群(SARS、ポ語はSRAG)患者の48・6%はRSVが、29・5%は新型コロナが原因だった。RSVは2歳以下の子供の気管支炎の75%、肺炎の40%の原因だが、予防接種はない。子供の呼吸器疾患患者の10~15%は入院に至る。
他方、SARSで死亡した子供の65・8%は新型コロナ感染者だった。インフルエンザや新型コロナの予防接種はSARS患者や死者を減らす意味でも重要だ。
子供のSARS患者は17連邦自治体で増えており、エスピリトサント、マラニョン、パラー、パライバ、リオ・グランデ・ド・ノルテ、ロンドニア、セルジッペの各州は症例増加が目立つという。
ただ、4日は、呼吸器疾患の患者急増でサンパウロ市の小児用集中治療室(ICU、ポ語はUTI)の病床占有率が84・6%に達し、州全体でも70%突破という報告も出た。サンパウロ市の小児用ICU患者の7割は呼吸器疾患が原因で、寒さが本格化する前の対策が必至だ。
大人のSARSの原因は新型コロナが最多だが、割合は減少傾向にあり、インフルエンザ患者にその座を譲りつつあるという。
1日付CNNブラジル(4)(5)(6)などによれば、ブラジルでは1日以降、インドなどで確認済みで発熱や結膜炎などを伴う変異株のXBB.1.16(通称アークトゥルス)の感染者確認、サンパウロ市の患者はビバレンテ(2価)のワクチン接種も済ませた持病持ちの寝たきり男性といった報が流れている。だが、予防接種拡大もあって新変異株の影響は小さいのか、4月16~22日の全国の新型コロナ感染者は3万8553人、死者は339人だった。感染者は3週連続で減少したが、死者は前週の279人を超えた。
なお、5日付オ・グローボ(7)(8)(9)(10)(11)などは、世界保健機関が新型コロナによる世界規模の健康上の緊急事態終結を宣言したと報道。各国の感染状況は差があり、今後の対応は各国に委ねられるが、予防接種などは継続される。サンパウロ市では6日から、ビバレンテの接種対象が18歳以上に拡大される。