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選挙高裁=SC州市長の任期はく奪=支援した企業家も被選挙権失う

2023年5月9日

任期がはく奪されたアリ・ヴェッキ氏(Prefeitura de Brusque/Divulgaçã)
任期がはく奪されたアリ・ヴェッキ氏(Prefeitura de Brusque/Divulgaçã)

 選挙高裁が4日、サンタカタリーナ(SC)州ブルスケ市のアリ・ヴェッキ市長(民主運動・MDB)の当選を無効とし、残りの任期をはく奪することを決めたと同日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)(4)などが報じた。はく奪理由は2020年市長選キャンペーンでの経済力乱用。判事投票は5対2だった。
 これは、ヴェッキ氏が同市最大の企業である小売店Havanの力を利用して選挙キャンペーンを展開したという訴えを受けたもので、SNS上ではヴェイオ・ダ・ハヴァンの通称で知られる同社のルシアノ・ハング社長が大量のビデオを流したことが、選挙法が禁ずる経済力乱用に当たると判断された。
 この件は当初、サンタカタリーナ州の選挙地域裁(TRE―SC)が扱っていたが、同地域裁がハング氏によるヴェッキ氏支援のビデオは、表現の自由に基づく政治見解の表明であり、経済力の乱用にはあたらないという判断を下したため、ポデモス、労働者党(PT)、ブラジル社会党(PSB)、緑の党が選挙高裁に上告していた。
 この件の報告官はリカルド・レワンドウフスキ判事が務め、地域裁の判決を覆すためには、判例法で許可されていない、全ての証拠の見直しが必要なため、不可能としていたが、同判事の退官後に再開された審理では、2番目に票を投じたアレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長が、経済力の乱用は明白であるとして、手続き上の問題を考慮しないことを決めた。
 同長官は、ハング社長はヴェッキ氏を支援するためにハヴァンのロゴやトラック、店舗、人材などの資産を繰り返して使用した上、説明責任も負わず、他の候補者に反対する「並行キャンペーン」を実施したと指摘した。
 また、経済力乱用の最も深刻な例として、ハヴァンのシャツを着たハング氏が、地方選の投票前夜だった2020年11月14日に自身の店舗の一つで従業員達と一緒に政治イベントを開くと宣伝し、約18万回再生されたSNS上のビデオを指摘した。
 ビデオにはハング社長がシミュレーションとして、従業員達に「市長選では投票するか?」とたずねる様子も収められており、モラエス長官は、これは選挙時の嫌がらせやパワハラにあたる犯罪行為でもあると強調。選挙検察に調査することも要請した。
 同長官は、「このような文脈で語られた一連の事実に基づいて、選挙キャンペーンでのルシアノ・ハング氏のパフォーマンスの正当性を評価すること、あるいはどのような行動が実践されたかを法律に基づいて評価することが不可欠だ。ハヴァンという法人組織が経済力を乱用して選挙キャンペーンを展開したことは、アリ・ヴェッキ氏とジルマル・ドエルネル氏という正副市長候補に有利な状況を作り出し、選挙の等式性に対する違反行為だ」と述べている。
 同長官の見解にはカルメン・ルシア、ベネジト・ゴンサルヴェス、セルジオ・バニョス、カルロス・オルバックの各判事が従い、レワンドウフスキ、ラウル・アラウジョ両判事の投じた反対票を凌いだ。
 この判決により、ヴェッキ市長とドエルネル副市長の当選は無効とされ、任期はく奪となる。また、この二人とハング氏は2028年まで被選挙権を失う。これは複数判事による審理で有罪となった場合は、8年間被選挙権を失うことを定めたフィッシャ・リンパ法に基づいた措置だ。この場合の出馬停止期間は、有罪となった時からではなく、2020年の選挙時からの計算となる。


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