《ブラジル》628項目の輸入関税免除=生産コスト削減など目指して

商工サービス開発省の関連機関である貿易協議所(Camex)の執行管理委員会(Gecex)が9日、現行の平均税率が11%の商品の輸入関税を2025年12月31日まで0%とすることを決めたと同日付政府公式サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
免税となったのはブラジル国内では生産されていない製品などで、機械や設備が564項目、情報処理や通信関連の商品64項目の計628項目だ。
免税による恩恵を受ける分野は40に及ぶ見込みで、これらの分野の企業によると、関税引き下げは8億ドルを超える価値のある商品の輸入に有利に働くという。これらの企業やアナリストは、生産コストが軽減すれば生産に向けた直接投資をさらに呼び込むことができ、雇用の創出にも役立つと見ている。
投資が行われると見られる分野は、冶金、電気・ガス、自動車製造、機械や装置の製造、パルプや紙、紙製品の製造など多岐にわたる。関税が0%となった機器の約80%は米国、中国、ドイツ、イタリアから輸入されているという。
会議の議長は商工サービス開発省のマルシオ・エリアス・ロサ副大臣が務め、Camexのマルセラ・カルヴァーリョ事務局長、商工サービス省貿易局のタチアナ・プラゼレス局長の他、Camexを構成する諸機関の技術者らが参加した。
政府はまた、医薬品やサプリメントの摂取用に使われるゼラチン・カプセルに対する反ダンピング措置も発表した。ゼラチン・カプセルはメキシコと米国から輸入されており、最長5年間、1千個あたり0・67~2・13ドルの税金が課される予定だ。ダンピングの可能性が指摘された分野に対する調査は今後も継続するという。
また、大豆タンパク質のような、アスリートが使用するタンパク質濃縮物やテスクチャード・タンパク質をメルコスル共通の対外関税の例外リストから除外することも決まった。これらの商品を例外リストに含めたことで国内産業に損害が及んだためで、今後は、ブロック内の統合関税である11・2%が課税されることになる。
9日に決定された内容は近日中に連邦官報に掲載される予定だという。