site.title

32万人が買い物楽しむ=土地なし農民運動全国市

2023年5月17日

自分達で育てた農産物を携えて全国市に参加している家族農の人々(Daniel Violal/MST)
自分達で育てた農産物を携えて全国市に参加している家族農の人々(Daniel Violal/MST)

 土地なし農民運動(MST)が開催した第4回全国農地改革フェアが成功裏に終わったと14日付ブラジル・デ・ファト・サイトなど(1)(2)が報じた。
 この全国市は11~14日にサンパウロ市のアグア・ブランカ公園で開催され、この4日間を通じて提供された野菜や果物その他の農産物は1730種類、560トンに上った。全国から集まった業者の数は1700、買い物客の数は32万人に達したという。
 販売品目は全て、MSTの働きかけによって進んだ農地改革によって土地を手に入れ、農業生産に携わるようになった家族農の手になるもので、ココアやアサイー、ペキ、チーズ、サラミ、カシャッサ、てんぷらなどにして食べるバナナ、トウモロコシ、花卉類などが所狭しと並べられた。また、食の広場では8万食が提供され、各地の文化を紹介するショーなども行われたという。
 この全国市は回を重ねる毎に参加者や出品数、買い物客数が増え、この公園では手狭だという声も出始めている。
 また、全国市に参加する業者達は、互いに苗木や種、育て方の知識などを交換しあい、熱帯の気候に合う農産物を、消費地に近いが気候が異なるミナス州南部やサンパウロ州でも栽培できないかといった研究も進めている。
 イベントの最後は閣僚や連邦議員、知事、ジュリオ・ランセロッチ神父も参加した式典で幕を閉じた。式典では、社会福祉団体に寄付された食料38トンを祝福したランセロッテ神父が、「サンパウロで生じている人道的な危機という文脈の中でのこの全国市は、希望のシグナルだ」「今、最もふさわしい言葉は感謝と励ましだ、私達の戦いには価値があり、諦めるわけにはいかない」と語る場面も見られた。
 MSTは農地改革を求めて農園などに侵入、侵略を繰り返し行うため、農園主やアグロビジネス関連企業家、農業畑議員のように反発、批判をする人も多い。
 だが、13日付アジェンシア・ブラジルなど(3)(4)によると、13日に全国市を訪れたジェラルド・アルキミン副大統領兼商工サービス開発相は、農地改革によって定住、定着後、研究や改善を進めながら農業生産に携わっている人々とその取り組みを称賛し、農地改革への意気込みを表明。同氏は、MSTがアグア・ブランカ公園で農地改革フェアを開きたいと言ってきたのは自分が知事だった時で、開催に抵抗感を示す人達もいたが、州政府として開催を許可した、以来、全国市には毎回参加していると語ると共に、この全国市はMSTの働きや質の高さを示す良い機会だとの見解も表明した。
 一方、下院がMSTによる土地侵略を調査するための議会調査委員会(CPI)を設置したことに対しては、農地改革を遅らせるもので下院の役割ではないとの批判も行ったという。

画像スライダー (2枚)


【15日の市況】コモディティ輸出企業や国内市場に関連する企業が指数を押し上げ Ibovespaは0.52%上昇、8取引連続高前の記事 【15日の市況】コモディティ輸出企業や国内市場に関連する企業が指数を押し上げ Ibovespaは0.52%上昇、8取引連続高マリリア・メンドンサ=墜落は操縦士の判断ミス=調査機関が事故報告を発表次の記事マリリア・メンドンサ=墜落は操縦士の判断ミス=調査機関が事故報告を発表
Loading...
32万人が買い物楽しむ=土地なし農民運動全国市 | 南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報