Funai=前政権下で奇妙な買い物=先住民族に大量の冷凍肉等

ボルソナロ政権下の2020~22年に国立先住民族保護財団(Funai)が署名した食料購入契約で、先住民族向けに購入した大量の冷凍肉などがあり、現地には届いていないなど、奇妙な買い物が繰り返されていたことが判明、連警が捜査に乗り出したと14~16日付エスタード紙など(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)が報じた。
エスタード紙が1カ月かけて全国の先住民族向けの食料購入5500回分について調べたところ、先住民族の生活習慣からは考え難い食品が入札もなく、高額で購入された上、先住民には届いていないなどの不審な動きがあったことが明らかになったという。
最初に報じられたのは、アマゾナス州アルト・ソリモンエスのヴァレ・ド・ジャヴァリに送る基礎食品キット用のステーキ用冷凍肉19トンの購入契約だ。購入は通常は衣類を扱っている企業を通して行われており、品物は先住民達に届いていないし、同地域は冷凍庫や冷蔵庫が普及しておらず、届いても保管・保存ができない。
契約書にサインしたのはFunaiだが、同地域で働く職員は32人で、本部から離れた先住民居住地にいることが多いから、彼らにも利用し難い。署名した職員は契約内容に疑問を呈したが、上司の命令でやむなく署名したという。
また、ヤノマミ族居住地向けの食品セット用にイワシの缶詰や腸詰肉(リングイッサ・カラブレーザ)を計440万レアル分購入した件も、同族の食習慣と相容れないとFunai職員が連邦政府や検察局に警告したのに契約が成立。検察が訴えて罰則が適用された後も、連邦政府は購入を再開し、過去に前例がない額の缶詰や腸詰を購入したという。
また、大手スーパーなら5レアル/キロ、平均価格でも10・7レアル/キロの鶏の首を、入札もなく、260レアル/キロで購入したという例もある。この購入契約の責任者であるリオ・デ・マデイラ地区のFunaiは、先住民の食習慣にはそぐわないビーフジャーキーや牛肉、ハムの缶詰なども1トン以上購入している。
現在のFunai総裁はステーキ肉に関する報道直後に同件についての調査を命令。16日にはフラヴィオ・ジノ法相の命令で連警が捜査を開始した。