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前大統領公判=報告官は被選挙権剥奪擁護=罪状読み上げで2時間以上

2023年6月29日

ベネジト判事(©Valter Campanato/Agencia Brasil)
ベネジト判事(©Valter Campanato/Agencia Brasil)
 ボルソナロ前大統領が昨年の大統領選で犯した選挙法違反行為に関する選挙高裁での裁判が、27日に審理2日目に入った。同件報告官のベネジト・ゴンサルヴェス判事は、予てから予想されていた通り、ボルソナロ氏の被選挙権の8年間の剥奪を擁護した。審理は29日に継続される。27日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。

 2022年7月に大統領官邸で各国大使らを招いた会合を開き、伯国の選挙システムへの疑惑を証拠もなく論じた上、公共放送を通してその内容を報じたとして選挙法違反に問われているボルソナロ氏に対する罪状の読み上げは、「嘘と暴力的な言動から目をそらすわけにはいかない」という、最初から有罪を想像させる言葉から始まった。
 ベネジト判事は続けて、弁護側が主張する「連邦政府とは無関係の中立的な会合」という主張を否定し、「選挙と世論に影響を与えるものだった」との見解を述べた。同判事はとりわけ、選挙キャンペーンが始まる1カ月前に開催された会合での出来事だったことを問題視した。
 同判事はさらに、ボルソナロ氏が立法機関や司法機関と良好な関係を築こうとせず、各国大使が集まった会合の場で軍隊を「我々」と呼ぶなど、ふさわしからぬ言葉を使ったことなども取り上げた。
 また、ベネジト判事は三権中枢施設襲撃事件後、アンデルソン・トレス前法相の自宅から大統領選の結果を覆す条例の原案が見つかったことも加えた。
 前大統領の弁護団は、大使との会合のあとに出てきたこの草案を訴訟に含めることに異議を唱えている。というのも、17年にジルマ・ルセフ氏とミシェル・テメル氏の正副大統領シャッパの有効性を問う裁判で選挙高裁は、起訴後に分かった新証拠を訴訟に追加しないことを多数決で決定しているからだ。
 2時間以上に及ぶ報告書の読み上げの後、同判事はボルソナロ氏に8年間の被選挙権剥奪を擁護した。ただし、副候補だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏に関しては関与なしとして無罪とした。
 アレッシャンドレ・デ・モラエス長官はこの時点でラウル・アラウージョ判事の意向を確認した後、この日の審理を中断。続きは29日に持ち越された。
 29日朝は告発内容確認のための要約版の報告書の読み上げ後に投票を再開する。同日の投票はアラウージョ判事からはじまる。

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