アフガン難民間で疥癬流行=空港で寝泊まりする中で

グアルーリョス国際空港で寝泊まりしているアフガニスタンからの難民の間で疥癬が流行していると27日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
アフガン難民の間で疥癬が流行しているのに気が付いたのは、空港の近くにある保健所にボランティアとして参加していた女医のアレトゥーザ・シェディアク氏だ。
彼女は21日、アフガン難民の子供がさかんに皮膚を掻いているのに気づき、家族の後を追いかけて、家族全員が疥癬に罹っていることを確認。同様にボランティアとして働いている医療関係者と、アレン・フロンテイラス、コレチヴォ・フレンテ・アフガンといった非政府団体、国家衛生監督庁(Anvisa)、グアルーリョス市役所が空港内に設置した移民への人道的対応ポストの関係者に即座に知らせたという。
アレトゥーザ氏は心臓研究所(Incor)の医師で、アレン・フロンテイラス-リビルディング・ライフスの創設者の一人だ。
同氏からの知らせを受けたグアルーリョス市が22日に疥癬に罹っていた家族や他の患者の様子を確認するためのスタッフを派遣したところ、この家族以外にも22人が疥癬に罹っていることが判明。即座に投薬治療が行われた。
ただ、その翌日に様子を見に行ったボランティアによると、疥癬だと診断され、投薬を受けた人の中には、分量やいつまで飲む必要があるのかがわからず、薬を飲んでいない人もいたという。
疥癬治療の基本は衛生管理だが、空港内にいるアフガン難民は、入浴や着替え、衣類の洗濯などが困難な上、仕切りやカーテンなどがない場所で寝泊まりしているため、患部を見せたり、塗り薬を使うのも難しいという。
グアルーリョス市のグスターヴォ・コスタ市長は27日も難民達を訪問し、健康状態や宿泊施設の確保などを案じていることを伝えたが、この日も空港には177人のアフガン難民が寝泊まりしており、市役所だけでは対応しきれずにいる。
法務省や検察庁も早急な体制作りと対応が必要なことを理解しているが、対策が後手後手となっていることは否めないようだ。
なお、28日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、法務省は同日、アフガン難民と寄り添うためにグアルーリョス空港にスタッフを送る方針だと発表。詳細は明らかにされていないが、複数の省庁や民間団体、警察、司法当局とも会合を開きながら、対応にあたるとの意向を表明した。