シジ中佐=黙秘を貫き非難轟々=調査委員会で6時間も

【既報関連】ボルソナロ前大統領の右腕として疑惑の渦中にある陸軍中佐のマウロ・シジ容疑者が11日、1月8日の三権中枢施設襲撃事件並びに反民主主義的行為に関する両院合同議会調査委員会(CPMI)に出向き、議員達からの質問を受けたが、黙秘権を行使し、無回答で通したと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
このCPMIはクーデターのCPI(議会調査委員会)とも呼ばれ、三権中枢施設襲撃事件前後の動きも視野に入れた事情聴取が続いている。同容疑者の召喚は4日のはずだったが、下院が税制改革法案などの集中審議を行うことになり、11日に延期されていた。
11日付G1サイトなど(3)(4)(5)によると、1週間遅れの召喚では、前大統領やその長女、シジ氏の妻らの新型コロナの予防接種記録改ざん、サウジアラビアからの贈り物関連、携帯電話の通信記録で判明したクーデター企画容疑など、様々な疑惑に関する質問が投げかけられたが、同容疑者は沈黙を貫いた。11日付G1サイト(6)によると、黙秘権行使は同氏の家族や弁護士が人身保護令適用を得るための方策と見られている。
だが、6時間、40に上る質問の全てに黙秘権を行使し、年齢などさえ答えなかったことは、自らを罪に定めるような質問への黙秘権という最高裁が認めた基準に反しており、批判が続出。
11日付G1サイトなど(7)(8)によると、アルトゥル・マイア委員長は「シジ氏は証人として出席しているのだから、自らを罪に定めるような質問以外には答える義務があるが、その責任を果たしておらず、最高裁に訴える必要がある」と述べた。この原則は質疑応答に入る前に同委員長も説明していた。
12日付Veja誌(9)によると、シジ氏は質疑応答に入る前に、5月3日に逮捕されて以来、70日以上拘束が続いているのは違法で、民主主義に反すると主張。11日付アジェンシア・ブラジル(10)によると、前大統領には役職上付き添っていたが、決定作業には参加していなかったとも語った。
他方、11日付G1サイトなど(11)(12)によると、拘束期間中の同氏訪問者は軍人41人を含む73人と異常に多く、別件で起訴されているファビオ・ワインガルテン元大統領府社会通信局長やクーデター疑惑でCPIが召喚したジェアン・ラワンジ・ジュニオル陸軍大佐らも含まれていたことなどから、CPIが訪問者に関する調査を行うことを決定。アレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事も訪問は家族と弁護士に限定した。11日付アジェンシア・ブラジルなど(13)(14)によると、CPIは同氏の妻の召喚や同氏の妻、連邦道路警察元長官、ブラジリア空港傍に爆発物を仕掛けた容疑者らの個人情報開示要請も承認した。
なお、11日付G1サイトなど(15)(16)によると、11日の委員会では質問者に対して同性愛嫌悪や性転換者批判にあたる発言が飛び出して会場が騒然となり、議会警察を通して発言内容などを調査することも決まった。