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デゼンローラ=低額債務の交渉支援開始=財務省「3千万人に恩恵」

2023年7月19日

デゼンローラ計画について語るハダジ財相(©Valter Campanato/Agencia Brasil)
デゼンローラ計画について語るハダジ財相(©Valter Campanato/Agencia Brasil)

 【既報関連】負債を抱える家庭や債務不履行世帯が増える中、負債返済を容易にし、融資を受ける資格を与えるデゼンローラ・ブラジルの第1弾が始まり、財務省は「3千万人が恩恵を受けられる」と発表したと17日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 11日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、負債のある家庭は全世帯の78・5%に達し、2010年1月の統計開始以来、最高となった。期日までに返済できなかった負債がある債務不履行世帯は2021年8月以来となる29・2%に及ぶ。債務不履行世帯は6カ月連続で減少していたが、6月は増加に転じた。債務不履行世帯の46%は返済が90日以上遅れている。
 現在のような高金利だと、返済が遅れるほど負債額が増え、返済が困難になる。また、負債増やさらなる債務不履行に陥るのを避けるために銀行などから低利の金を借りて返そうとしても、債務不履行者リストに名前が載り、融資が受けられない人も多い。
 このような状況打破のために導入されたのがデゼンローラで、17日に始まった第1弾では、同計画に参加する銀行(伯銀、連邦貯蓄銀行、イタウ、ブラデスコ、サンタンデール)に対して100レアルまでの負債のある人の名前を債務不履行者リストから消す作業が行われる。この作業は今月中に自動的に行われ、新たな融資利用が可能になるが、返済責任は残る。17日付アジェンシア・ブラジルなど(3)(4)(5)によると、同措置の恩恵はヌバンクが参加すれば250万人、参加しなくても150万人に及ぶ。
 また、月収2640レアル~2万レアルで2022年末日までに債務不履行者リストに名前が記載された人の負債の再交渉も始まった。この条件の人は12~60回の分割返済が認められる。また、負債額割引で同意した銀行は、貸借対照表に政府との推定信用として割引額と同額を記載することができる。
 17日付CNNブラジルなど(6)(7)によると、国庫が留保している保証用財源は約75億レアルだが、17日付テラ・サイトなど(8)(9)は、連邦政府は負債割引に対する税額控除として最大500億レアルを開放したと報じている。
 ハダジ財相は17日、割引オークションを通して政府の保証を受け損なった企業は、政府のプラットフォームを利用して債務の再交渉ができると強調。同措置は民間部門が要請したものだという。
 なお、月収が最賃二つ未満か、政府の統一登録システム(CadaUnico)に登録されている社会福祉プログラム利用者で、負債額が5千レアル以下の場合の負債再交渉は9月から始まる。


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