10年で高齢者割合が30%増加=高齢者の新しい役割に期待

世界的な人口高齢化が問題視されているが、ブラジルも例外ではなく、現在進行中である。最近の調査結果と今後の課題について、26日付テラサイト(1)が報じている。
地理統計院(IBGE)が6月に発表した、継続版全国家庭サンプル調査(Pnad)における2022年の世帯・居住者の一般的特徴の情報によると、高齢者の人口比は15・1%で、12年の11・3%より30%増えている。他方、22年の30歳未満の若年層の割合は43・3%で、12年の49・9%より減少している。
この高齢者の比率増加は、社会の新たな構図を明らかにした。高齢者の増加は「おじいちゃん」や「おばあいちゃん」の増加を意味すると考えられがちだが、子供を持たない夫婦の増加も見られるため、孫をもつ「おじいちゃん」や「おばあちゃん」の数は減少する傾向にあると専門家は指摘している。
高齢者の割合の増加は長寿命化にも起因しており、健康状態の改善、予防治療、医学の進歩により、80歳以上の高齢者が以前ほど珍しくなくなった。将来的には祖父母の数が減少する一方で、家庭内における高齢者の役割はますます重要になると考えられる。将来への意思決定や未来づくりに、より積極的に参加し、定年退職後も活躍の場が増えていくと見ている。ただ、高齢者の増加と同時に人口の貧困化も進んでおり、高齢者の年金が家族の支出を支える例が増えていることも指摘されている。
その一方、高齢者の生活や健康の質を向上させるために様々な改善策も必要となる。特に、健康、福祉、公共サービスへのアクセスに関しては、早急な対策が求められている。
ブラジルは高齢者に関する重要な政策を多数打ち出しているものの、急速な高齢化に政策が追い付いていない部分がある。また、家族の介護者や一人暮らしの高齢者という、重要なグループに適切な支援を行う必要もある。専門家は、この問題は国民全体が関心を持つべきで、今後の研究や政策の中でも一層考慮されるべきとしている。