サウジからの贈答品を返却＝ハダジに次いでアルキミンも

　フェルナンド・ハダジ財相（労働者党・ＰＴ）は７月３１日に贈られた金製のジャガー像を、在ブラジルサウジアラビア王国大使館に返却すると即日発表したと同日付メトロポレサイトなど（１）（２）（３）が報じている。
　贈答品の引き渡しはサンパウロ州で行われた会談後、サウジアラビアのハーリド・アル・ファーレフ投資大臣の手によって直接行われた。このジャガー像は当初、国の公共財産として連邦政府の所有となる予定だったが、税務当局は大臣に返却するよう指示した。
　外交儀礼としての公的機関の要人への贈答品に関しては、事前通知が必要とされる。財務省は、「ロビンソン・バヘイリーニャス国税庁特別局長がハダジ財相に金のジャガー像の返却を指示した」と説明している。
　これを受け、ジェラルド・アルキミン副大統領兼商工開発相（ブラジル社会党・ＰＳＢ）も同日、サウジアラビアから受け取ったラクダ像を返却した。サウジアラビア大使館に宛てた文書の中で贈り物に感謝しつつ、規制上の理由から個人所有することはできないと説明。また、同日にサンパウロ州で開催された「ブラジル・サウジアラビア相互投資フォーラム」に言及し、「我々の代表団の間で行われた会合での高い評価と関心の表明に感謝する」とし、貿易関係と投資強化を再アピールした。
　サウジアラビアの代表団はサンパウロ州産業連盟（Ｆｉｅｓｐ）で行われた同イベントに参加するためサンパウロ州に滞在しており、経済パートナーシップ確立に向けての話し合いが行われていた。このイベントでは両国の企業２５社の貿易と投資に関する協定に調印していた。
　贈答品返却の指示は、違法な形で持ち込まれたダイヤモンドのネックレスなどの高価な装飾品を差し押さえられたボルソナロ前大統領が、個人所有とするために国税庁に何度も圧力をかけて問題化した前例があるため、それを回避する狙いから税務当局が採った予防措置と見られている。