マリア・ダ・ペーニャ法17年=後を絶たない女性への暴力

家庭内暴力など防止のためのマリア・ダ・ペーニャ法(法令11340/06号、MP法)が7日で裁可から17年となったと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。妻や女性への肉体的、精神的な暴力行為を罪とし、厳罰を科すことで家庭内暴力などを防ごうとした法令は、2006年8月7日に裁可、同年9月22日に発効となった。
MP法は夫から銃で撃たれて下半身不随となった上、溺れさせられ、感電死させられかけた女性の経験から生まれた法律で、子供や孫が親や祖父母に向ける暴力や暴言という狭義の家庭内暴力は対象外だ。事件発生は1983年で、2002年に有罪判決が出たが、夫は2年間服役しただけで牢を出ている。
同法は女性が警察当局に苦情を申し立てた場合に緊急の保護措置を確実に与えるため、4月に変更され、暴力の犯罪分類や刑事又は民事訴訟の提起、警察の捜査開始、被害届の登録などの措置が採られることになった。
女性への暴行や女性殺人はコロナ禍で増えたとされていたが、7月20日付G1サイト(3)によると、コロナ禍が落ち着き始めた2022年も、女性や子供、青少年への強姦事件が前年比で88・7%、家庭内暴力による傷害事件が2・9%、女性殺人は6・1%増えた。一般的な殺人事件での女性の死者は1・2%増で、女性故に殺された例は一般の事件より増えた。
また、7月22日付G1サイト(4)は、昨年は農村部の女性が家庭内暴力の被害に遭った例が3万件以上報告されたと報じている。
5月3日付G1サイト(5)によると、北大河州では1~4月の女性への暴力が昨年同期比で26%増えており、5月20日付G1サイト(6)によれば、エスピリトサント州では1~4月に7300人の女性が暴行被害に遭った。内70%は女性の自宅、16・7%は路上で起きた。
また、3月7日付アジェンシア・ブラジル(7)(8)などは、22年の女性への暴行事件は2423件、女性殺人も495件起きており、4時間に1人が暴行被害に遭ったと報じた。
他方、7月18日付G1サイト(9)によれば、法律での規定にも関わらず、聖市では暴力被害に遭った女性への精神的なケアを提供している保健所は470カ所中11カ所のみだ。
7日付オ・ジアサイトなど(10)(11)(12)(13)(14)によると、リオ州市警では1日から女性支援署14カ所が女性への暴力一掃のためのマリア・ダ・ペーニャ作戦を行い、女性支援署を通して告発された人の逮捕や銃火器押収、保護措置導入などを実施。同州は年頭にも同様の作戦で630人を逮捕、火器55丁を押収した他、1・1万件の保護措置を採っている。