サンパウロ市地下鉄＝改札口で２人組に襲われる＝犯人翌日逮捕もずさん警備

　８日、サンパウロ市の地下鉄の改札口を通ろうとした乗客が男女２人組の強盗に襲われ、暴行も受ける事件が生じた。犯人は翌日逮捕されている。１０日付フォーリャ紙（１）が報じている。
　事件は８日、サンパウロ市地下鉄１号線のアルメニア駅の改札口で起こった。現場の様子を捉えた映像によると、この乗客は男女２人組に殴られ、床に倒された後も、殴る蹴るの暴行を受けた。加害者は男性が乗客を押し倒し、女性が被害者の所持品を盗んだ。
　２人組は財布などを盗むとその場を去った。この時の様子は別の乗客によって一部始終が撮影されていたが、その間、周囲にいた人たちは誰も止めようとせず、さらに警備員らしき人物も誰一人姿を現さなかった。この映像は拡散され、話題となった。
　この翌日、警察は２３歳の男性と３７歳の女性からなる、強盗２人組を逮捕した。被害者もこの２人を確認している。
　サンパウロ市地下鉄では今年、１４９件の強盗・窃盗事件が報告されており、８０％のケースで犯人を逮捕しているという。
　地下鉄は１千人以上の警備員を配備した上で、顔認証機能付きの監視カメラの設置や精度向上などに努め、警備を補強したいとしている。