site.title

小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=65

2023年10月17日

 そう言う父の言葉も、隆夫さんの愛国心も痛いほどよく解るわ。だけど私たちは外国に住んでいます。ここは養国です。その養国が日本の敵に廻っているのだから、何もできないじゃないの。私たちは自重すべき立場にあると思うの。日本人として祖国の勝利を願う、忠君愛国の精神は美しいし、私もその精神をもっているわ。
 最初に配耕されたとき、貴方は奴隷扱いだと言って監督に抗議し、移民は大和魂をもって一致団結し、耕地の生活を改善すべきだ、と雇用者側に反旗をひるがえしました。私は格好いいなと思ったものよ。大和魂によって耕地が住みよい理想郷に変われば、私たちだけでなく、多くの人びとの生活向上...
会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...