フェルナンド・デ・ノローニャ=生物多様性を脅かす廃棄物=サンゴ礁がごみの溜り場に

生物多様性で知られるフェルナンド・デ・ノローニャや、サンペドロ群島、サンパウロ群島のサンゴ礁が、プラスチック廃棄物と放棄された漁具の脅威に直面していると15日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
サンパウロ総合大学(USP)とボチカリオ財団の自然保護専門家ネットワーク(RECN)に所属する研究者のハドソン・ピニェイロ氏らが今年7月に発表した研究結果によると、フェルナンド・デ・ノローニャと二つの群島のサンゴ礁は西アフリカのコモロやフィリピンのサンゴ礁と並ぶ、大量のごみの溜り場となっていることが分かっている。
ハドソン氏らは、「全く未知の環境を探検しようと考えていたが、既に人間の影響の証拠があり、多くのごみや漁具類があった」という。
研究者達によると、プラスチックと放棄された漁具類は共に海洋生物にとってのリスクとなる。例えば、プラスチックは食べ物と間違えた動物が窒息する可能性があるし、その物質によって中毒を起こしたりする可能性もある。
他方、釣り糸や釣り針、網などの漁業廃棄物は、海底でも海洋動物を捕らえ、殺し続けるため、「ゴーストフィッシング」が起こる。また、延縄やロープがサンゴ礁に引っかかると、サンゴが引っ張られて壊れることもあるという。
研究者達は、社会によるプラスチックの使用のあり方や漁師による生分解性素材の使用を再考し、プラスチックごみや漁具類が放置されても海洋生物に影響を与え続けることを防ぐことが必要だと主張している。
また、海岸から遠く離れたサンゴ礁で漁具類のごみが発見されたことは、これらの地域で漁業活動が活発に行われている証拠と見ている。漁師達は収益性を維持するため、海岸に近い地域の資源が枯渇すればより遠い地域に出向いて漁を行うようになる。
ハドソン氏によると、これらの地域の釣りには、魚が豊富なサンゴ礁を見つけた漁師達は商業魚種を全て獲り尽くしてしまうという共通した特徴がある。
一例は60年代から70年代にノローニャで乱獲された鯛で、当時は姿を消してしまった鯛の個体が再び発見されたのはごく最近のことだという。サンペドロとサンパウロの両群島で乱獲されたのはサメで、70年代から80年代の初頭は豊富だったサンゴ礁ザメがほとんど見つからなくなったため、サメ釣りを禁止したところ、10年ぶりに復活しつつあるという。
ハドソン氏は、本土の海岸から遠く離れたサンゴ礁でも大量のごみが見つかったことから、バイーア州からリオ・グランデ・ド・ノルテ州にかけて広がる沿岸のサンゴ礁ではごみの影響はさらに大きいと見ている。