意識調査=新変異株出現に不安募る=コロナ感染落ち着く中で

新型コロナ感染症(Covid‐19)の感染状況はかなり落ち着いているが、18~59歳で予防接種回数3回以下の人に訊いたところ、多くの人が新変異株の出現を恐れていることが分かったと7日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
「今日のCovid‐19:接種を受けていない人が迷っている理由は何か」という調査は、連邦直轄区や、サンパウロ、パラー、バイア、リオ、サンタカタリーナの各州内106市1840人を対象に行われた。
それによると、新変異株の出現を恐れている人は48%おり、その割合は女性や18~24歳の若者の間で高かった。感染のピークは過ぎたが、新たな流行が起きたら予防接種が防壁となると考えている人は20%、パンデミックは終わったし、感染しても怖くないという人は15%だった。
ブラジル感染症学会(SBI)副会長でサンパウロ州立パウリスタ大学医学部教授のアレッシャンドレ・ナイメ・バルボザ氏は、新型コロナは頻繁に変異しており、一部の変異株は他の変異株よりも急速に広がり、感染者数や病気の悪化を招き得るとして、変異株に関する懸念は正当なものと評価した。
また、予防接種は大人を守ると考えている人が86%、子供を守ると考えている人が82%いた。また、大人には安全と思う人は78%、子供にも安全と思う人は75%いた。予防接種を信用せず、重要性を全然または少ししか認めないし、何らかのレベルで危険と考えている人は7%だった。
回答者の約半数は6カ月~17歳の子供がおり、内59%は子供には最低1回接種を受けさせていた。接種終了に至らなかった理由は副作用が怖いが20%、不要だと思ったが10%だった。
子供は重症化しないという考えに程度の差こそあれ同意していない人は65%いたが、子供に接種を受けさせるかを決める前に小児科医に相談しなかった人も39%(子供が2歳未満だと32%、12~17歳の時は48%)いた。小児科医が接種を受けないよう勧めた例は2%のみだった。
また、70%は虚報や無情報のために接種を終了しなかったことも判明した。
他方、5日付G1サイト(2)によると、ペロタス連邦大学とリオ・グランデ・ド・スル連邦大学の調査で、未接種者は3回以上接種を受けた人より長期の後遺症に悩む可能性が23%高いが、2回まで受けると8%に止まるなど、予防接種が長期の後遺症を避けるのにも役立つことが確認されたという。
6日付G1サイトなど(3)(4)によると、ブラジルでも、世界的な感染増を招いているJN1とJG3という下部変異株の感染者が確認されており、保健省が本来の株とオミクロン株に対応する2価ワクチン(ビバレント)の接種計画を前倒しする。ビバレントの前倒し接種対象は60歳以上の人と、12歳以上の免疫抑制者で、最後の接種から6カ月以上経っている人だ。
また、65歳以上の人や18歳以上の免疫抑制者がCovidに感染した場合は、公的医療機関でも抗ウイルス薬ニルマトレルビル/リトナビルを入手できることも強調した。