行方不明ヘリコプター=捜査12日目に森林で発見=乗客4人は全員死亡と確認

【既報関連】昨年12月31日にサンパウロ市カンポ・デ・マルテ空港を出立した後、行方不明となっていたヘリコプターが12日、サンパウロ州パライブーナの森林の中で崩壊した状態で見つかり、乗っていた4人全員の死亡も確認された。同日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)、オ・テンポ(3)、G1サイト(4)が報じている。
このヘリコプターは昨年12月31日の13時15分にサンパウロ市北部のカンポ・デ・マルテ空港を飛び立ち、サンパウロ州海岸部のイーリャベーラに向かった。だが、悪天候のため、予定を変更することなどを連絡した後、14時頃を最後に音信が途絶え、行方不明。夜になっても目的地に到着しなかったため、その日のうちに捜査が始まったが、見つかっていなかった。
搭乗していたのは食品関係の販売員のルシアナ・ロゼヴィクスさん(45)、その娘で美容関係勤務のレチシア・アユミ・ロゼヴィクス・サクモトさん(20)の親子と、2人を大晦日の飛行に招待した薬品関係の企業家ラファエル・トレス氏(41)、操縦士のカシアーノ・テオドロ氏(44)だった。4人の遺体は飛行機の残骸と共に発見された。
レチシアさんは飛行中、空軍勤務の恋人エンリケ・チオフィロ・ステラットさんに動画で連絡を入れ、「すごく曇っていて危険だ」「山で緊急着陸をする予定だ」とのメッセージを送っていた。それに対しエンリケさんは「どこにいるんだ」と尋ねたが、レチシアさんは「わからない」と答えたのみだった。事故機は一度、強制着陸後、予定を変更して再度離陸したが、その後に消息が途絶えた。
ラファエル氏の遺族によると、同氏はルシアナさん親子とは旧知の間柄で、ヘリコプターでの移動にも慣れていた。パイロットのカシアーノ氏とも知り合いだったという。
カシアーノ氏は2021年9月に監査逃れなどの疑いで飛行士免許を停止されたが、数カ月前に免許を回復。エアタクシーの操縦は認可されていなかったが、ラファエル氏に頼まれて事故機を操縦していた。