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マルタがPT復党=ボルソナロ主義打倒誓う=ルーラの秘策は極南部

2024年2月6日

2日のマルタ氏とボウロス氏(Elineudo Meira/fotografia75)
2日のマルタ氏とボウロス氏(Elineudo Meira/fotografia75)

 2日、今年10月のサンパウロ市市長選でギリェルメ・ボウロス下議(社会主義自由党・PSOL)の副候補となる元同市市長のマルタ・スプリシー氏の労働者党(PT)復党式が行われた。マルタ氏は一度は決裂したPTへの忠誠を改めて誓い、市長選に注力することを誓った。2日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
 マルタ氏は1980年代から30年間以上PTに所属し、2000年にはサンパウロ市市長選に当選。2001〜4年に市長を務めた。だが、PTにラヴァ・ジャット作戦の疑惑がかけられたことで、2015年に離党。その後は民主運動(MDB)や連帯(SD)を渡り歩き、政党無所属となった2021年に当時のブルーノ・コーヴァス聖市市長(PSDB)に請われ、サンパウロ市の国際関係局長に就任。同市長の病死後も同職に留まり、現職のリカルド・ヌーネス市長を支えていた。
 このような経緯から、アジェンシア・ブラジル(2)が報じるように、PTの中でも最も左派的な勢力が「過去8年間の政治信条がPTにそぐわない」とし、PTへの復党無効を求める動きも起こった。ただ、このグループは党内少数派であったため、聞き入られることはなく、復党式には2千人以上の参加者が詰めかけた。同式はルーラ大統領はじめ、PTの要人の大半が顔を揃え、盛大に行われた。
 マルタ氏は復党式で。「自分は根っからのPT党員であることを今、改めて感じ、興奮している。その精神性が私の中から去ったことは一度もない。今、それを強く感じている」と語った。
 マルタ氏はさらに、「2022年の大統領選の時に私たちはボルソナロ氏を倒すために共に戦った。聖市市長選でも力を合わせ、ボルソナリズモ(ボルソナロ主義)を倒していきたい」と語った。
 マルタ氏がサンパウロ市政を離れた最大の要因は、ヌーネス市長が再選をかけた今回の市長選でボルソナロ氏の支持を求めたことだった。
 ボルソナリズモ打倒に関しては、ボウロス氏やグレイシ・ホフマンPT党首の行った演説でも言及されている。
 ルーラ大統領は演説でマルタ氏をコリンチャンスの名選手リベリーノと比べ、「リベリーノはチームの英雄だったのに、1974年のパルメイラスとの試合敗戦で責められ、排斥され、二度と帰ってこなかった。PTではリベリーノは見たくない」と語り、マルタ氏を離党させたことを詫びた。
 また、ラヴァ・ジャット作戦の影響下の2016、20年の市長選でPTが多くの市長を失ったことも詫びた。ルーラ氏は2018〜19年に同作戦で収賄などで有罪となり、実刑に服している。
 それだけに、ルーラ氏の今回の市長選に対する意気込みは強い。フォーリャ紙の分析によると、マルタ氏の存在はボウロス氏が2020年の選挙で弱かったパレリェイロス、グラジャウーといった極南部を補強するためだ。この地区はPTが伝統的に強く、マルタ氏が特に強いところだ。2016年のサンパウロ市市長選でPTの候補だった当時現職のフェルナンド・ハダジ氏は2位だったが、極南部ではMDBから出馬し、4位だったマルタ氏がハダジ氏を上回り、地区の30%以上の票を獲得していた。


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