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デング熱=世界一の昨年上回る勢い=WHOが撲滅支援を確約

2024年2月9日

感染学上の週毎の疑似症患者数の推移(色が薄いのは23年、色が濃いのは24年)(保健省公式サイトより)
感染学上の週毎の疑似症患者数の推移(色が薄いのは23年、色が濃いのは24年)(保健省公式サイトより)
人口10万人あたりの疑似症患者の数を連邦自治体毎に示す表と地図(保健省公式サイトより)
人口10万人あたりの疑似症患者の数を連邦自治体毎に示す表と地図(保健省公式サイトより)

 【既報関連】世界保健機関(WHO)事務局長のテドロス・アダノム氏が7日、保健省の「健康なブラジル計画」の開始式典で、世界的な気温上昇に伴うエルニーニョ現象が伯国や世界各地でのデング熱の症例増加の一因となっているとの見解を示す一方、デング熱のワクチン接種についてコメントし、ブラジルは大量のワクチンを生産するための力を備えていると述べたと同日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
 健康なブラジル計画は結核やシャーガス病、ハンセン病、HIVのように母子感染する病気撲滅に向けたものだ。テドロス氏は5日、ルーラ大統領やニジア・トリンダーデ保健相らとの会合で、これらの病気撲滅にできる限りの支援を約束すると共に、ブラジルがデング熱ワクチン提供国となる可能性を認めた。
 また、7日の式典では、「ブラジルは最善を尽くしている。その努力は、感染阻止と疾病管理の改善」とし、「我々はワクチンを持っており、戦闘手段の一つとして使える」と語った。
 WHOによると、世界では昨年、欧州を除く約80の国々で、デング熱患者が5億人、死者も5千人以上出ている。
 昨年のブラジルは患者数世界一だったが、今年は昨年以上の勢いで感染が拡大している。1月30日付アジェンシア・ブラジル(2)によれば、年間患者数は400万人を超える可能性がある。
 7日付アジェンシア・ブラジルなど(3)(4)によると、7日現在の疑似症患者数は39万2724人、死者は54人、死因解明中の死者が273人となっている。また、疑似症患者の54・9%は女性、14万3200人以上は30~49歳であることも分かっている。
 疑似症患者数が最も多い連邦自治体はミナス州の13万5716人で、サンパウロ州6万1873人、連邦直轄区4万8657人、ミナス州4万8657人、パラナ州4万4200人と続くが、人口10万人あたりの疑似症患者数は連邦直轄区の1727・2人を皮切りに、ミナス州660・8人、アクレ州539・1人、パラナ州386・3人、ゴイアス州329・7人となっている。
 非常事態を宣言した自治体は、連邦直轄区とミナス州、アクレ州、ゴイアス州にリオ市だ。
 7日付アジェンシア・ブラジル(5)によると、事態がより深刻な連邦直轄区は既に、統一医療保健システム(SUS)で使用するワクチン19・4万回分を受領済みで、9日から10~14歳児向けの接種を始める。その他の520市へのワクチン配布は感染状況に従って行われる。
 7日付アジェンシア・ブラジル(3)によると、ニジア保健相は6日、デング熱を媒介するネッタイシマカの発生源の75%は家庭内にあるとし、改めて国民の協力を要請。ネッタイシマカの幼虫はきれいな溜水だけでなく、汚れた水でも発生するとの研究結果があることも明らかにし、警告した。


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