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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=91

2024年2月17日

 若い頃から母は病気と切り離されなかった。父のもとに嫁いだ時二十三歳だった母は、陸上選手であり、痩せ型の娘だったそうだ。当時の青年もそういうカチカチの娘に魅力を感じなかったろうが、母は持ち前の心遣りから必要以上に父の世話をやいたらしい。初心だった父は、すっかりまいってしまったのだろう。自分の姉妹は大柄で、デブで見栄えがしないという、その反動か小柄の母に惹かれていったらしい。
 小柄の女は清楚で知的で僕の理想とまで行かないまでも、大女より感じがいい。世に言う肉付きのよいミス何々と呼ばれる女は均整は取れているとしても、何か自分には圧迫を感じる。そういう女にもてないから...

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