街角=子どもが選び、親は全力バックアップ

ピラール・ド・スール日本語学校には多くの非日系人生徒が通う。このことをサンパウロ市の伯人の友人に話すと、「一般的に日本人には教養が高いというイメージがあるから、親も子供にそれを期待して日本語学校に通わせるんだろうね」との憶測を語った。一理ある様にも思ったが、それだけではない部分も感じた。
聖南西教育研究会が4月20日に行った「デイキャンプ」で、積極的に活動していたジョアキン・コエーリョ・オリベイラくん(10歳)の母親に話を聞くと、「ブラジルの学校で日本語学校の存在を知り、一週間授業体験したところ本人が『気に入った』と言うので入学を決めました。ジョアキンはいつも好奇心が強く、何でも知ろうとするので、ここでの学習もとても早いです」と話した。
彼女は「母の会にも可能な限り参加する」と話した。子どものやりたいことをサポートするという親の積極的な姿勢がうかがえた。実際、デイキャンプ時の朝食を用意していた母の会の顔ぶれを見ると、ほとんどが非日系人だった。話を聞くと、両親とも日系人という生徒は同会全体でも6人しかいないという。
うち一人の母親は「私たち夫婦は伯人同士だけど、姉の夫である日系人に誘われ、運動会にお試し参加してみたら、子どもが気に入ったので入学しました」と話す。子どもが選んだ学校で楽しく過ごしているのを、両親が率先して支えている。
同校ではブラジルの公立校では一般的に行わない教養的な科目、音楽や体育、お絵描きや折り紙、習字なども教える。またピラール文協で行われるデイキャンプのような活動や運動会、和太鼓や陸上などの多彩な活動に参加することにより、生徒の多彩な才能が発掘される可能性がある。
日本語学校は単なる語学教育の場ではなく、人間教育の場でもあることが、徐々に一般社会に知られて来たからこそ、ブラジル人生徒が増えているのかもしれない。(莉)