site.title

小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=141

2024年5月21日

 田守は、胸を押さえてふらつくジョンを強引に促し、他の二人を気にしながら歩き出した。一緒に行動したジュアレースが走ってきた。
「バスチョンはどうした」
「殺られたらしい。どこにもいない」
「仕方ない。置いて行こう」
 言って、田守は急ぎ足に、昨夜乗り捨てた車の方角へ歩いた。
「これから、一体どこへ行くつもりなんだ」
 ジョンが訊いた。
「どこでもいい。とにかくこの場所を早く離れることだ。お前たちは、全くひどい。俺をこんな事件に巻き込みやがって」
「無事に済んだからいいじゃないか。俺たちはターヴォラ耕地には恩義があるんだ。田守は何も知らんが、加勢してく...
会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=141 | 南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報