小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=141
「バスチョンはどうした」
「殺られたらしい。どこにもいない」
「仕方ない。置いて行こう」
言って、田守は急ぎ足に、昨夜乗り捨てた車の方角へ歩いた。
「これから、一体どこへ行くつもりなんだ」
ジョンが訊いた。
「どこでもいい。とにかくこの場所を早く離れることだ。お前たちは、全くひどい。俺をこんな事件に巻き込みやがって」
「無事に済んだからいいじゃないか。俺たちはターヴォラ耕地には恩義があるんだ。田守は何も知らんが、加勢してく...
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