大盛況の文協文化祭り=伝統芸能、オタク文化幅広く体験

ブラジル日本文化福祉協会(文協)は25~26日、サンパウロ市リベルダーデ区の文協ビルで「第18回文化祭り」を開催した。伝統芸能の演目披露やワークショップ、コスプレ大会などのポップカルチャーイベントが実施され、多くの来場者が日本文化体験を楽しんだ。
大講堂では、鳥取しゃんしゃん傘踊りや藤間流日本舞踊学校、長崎龍踊り、気炎太鼓やレキオス芸能同好会による伝統芸能披露を始め、ミス日系サンパウロ選考会などが行われた。25日は世界的なオタク文化の中で「オタクプライドデー(Dia do Orgulho Nerd)」とされる日でもあり、コスプレ大会やアニソンダンス、アニソン演奏披露などを行った。会場には思い思いのコスプレをした人々が集まり、盛り上がりを見せた。
文化スペースや貴賓室などでは、書道や陶器制作、太鼓、忍術、空手、盆踊り、アニソンダンス、三味線などのワークショップが行われた。剣道の演武や、沖縄県の茶道ぶくぶく茶の披露なども行われた。押し花や陶器、漫画、芸術家の作品販売も行われた。
25日午後2時に行われた開会式では、石川レナト文協会長が登壇し、同祭が文協青年部によって企画運営されていることを強調。来場者に向けて「今日はぜひ日本文化を堪能してください」と語った。
開会式に来賓として出席した在サンパウロ総領事館の市村雅副領事は、同祭を始めとする当地日系社会の文化活動に対し「日本にいる時よりも日本の文化を強く感じます。日系社会の存在や活動を日本人として誇りに思います」と称賛した。
ボランティアとして同祭の運営に初めて携わったヴィニシウス・リベイロさん(22歳)は、サンベルナルド・ド・カンポ市から参加。日系社会のイベントには、2022年の県連日本祭りにボランティアとして参加し、文協文化祭りには昨年、一般客として訪れた。「日系じゃないけど、日本文化に近づきたくてボランティアとしていつも参加しています」と日本文化に対する想いを熱く語った。
来場者の新田宏章(にった・ひろあき、91歳、大分)さんと良子(よしこ)さん夫婦は、「文協のイベントには2人でいつも参加しています。今回は大講堂での演目を楽しませてもらいました」と微笑んだ。