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独特の魅力持つブラジル北東部の6月祭り=情熱溢れる牛物語劇やダンス

2024年6月5日

セルジッペ州の華やかで情熱的な踊り(Foto: Marcelle Cristinne / ASN, Wikimedia Commons)
セルジッペ州の華やかで情熱的な踊り(Foto: Marcelle Cristinne / ASN, Wikimedia Commons)

 弊紙6月4日付でも紹介した伝統行事「フェスタ・ジュニーナ(6月祭り)」はブラジル全土で祝われる。その習慣や雰囲気は地域によって異なり、特にブラジル北東部の同祭は最も伝統的で盛大に開催され、国内外から観光客が多く訪れる一大イベントとなっており、その盛大さではカーニバルに匹敵するほど。北東部においては文化振興のみならず、経済を活性化し雇用創出にもつながる非常に重要な期間になると2022年12月16日付ワールドパッカーズなど(1)(2)が報じた。
 同祭は北東部の雨季に行われ、熱帯半乾燥地域(セルトン)の過酷な自然環境下での干ばつの恐怖を払拭し、大地を人々の歓喜で満たす。現在、国内最大と言われているのがパライバ州第2の都市カンピナ・グランデで開催される同祭だ。開催期間中は200万人もの観光客が訪れ、30夜続く伝統的な祭典に参加するために街は活気で満ち溢れる。 美しい純白の大砂丘「レンソイス」で有名なマラニャン州の州都サンルイスでも、200年以上にわたって祭り「ブンバ・メウ・ボイ」が開催されており、毎年多くの人が待ち望んでいる。通りは色とりどりに埋め尽くされ、人々は伝統的なダンス集団のパレードを見にくる。
 パレードでは、伝統的「ボイ・ブンバ」物語を演劇形式で伝える。牛伝説には諸説あるが最も一般的な筋書きは、妊娠中の奴隷カタリーナが牛の舌を食べさせてくれと頼むと、夫チコ(またはフランシスコ神父)は妻の願いを叶えて牛を殺し、怒った農場主に捕まる。最後は呪術師の助けで牛は復活するというもの。2019年にはユネスコ人類無形文化遺産に登録された。
 その他、セルジッペ州アラカジュで14夜にわたって約140のアトラクションが行われる「フォロー・カジュ」や、ペルナンブコ州カルアルの聖ジョアン祭、ピアウイ州テレジーナで行われる「シダーデ・ジュニーナ」も見逃せないイベントだ。
 一般的に北東部の同祭は、一般市民が参加できるように特別に設置された広大なエリアで行われ、インフラ整備も万全だ。食事、トイレ、ステージ、警備、売店、手工芸品フェアなどさまざまな催しが用意され、コンサートも開かれる。
 典型的な踊りは同祭の伝統の一部である「クアドリーリャ」と呼ばれるフォークダンスで、何百人もが一斉に同じリズムで踊りを楽しむ。チェック柄のドレスやシャツ、ブーツ、麦わら帽子で田舎者に扮したあらゆる年齢層の一般参加者たちが、フォホー、セルタネージョなどの祝祭を彩る音楽に合わせて踊るのは全国共通で、参加者のエネルギーと情熱が祭りの雰囲気を盛り上げる。
 フェスタ・ジュニーナは、世代を超えて楽しめるだけでなく、ブラジルの歴史や習慣を絶やすことなく脈々と受け継がれ、その豊かな遺産は新しい世代にも継承されている。

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