小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=158

「良子さん、どんな」
信二は、鍬の柄に通して運んできた水樽を、家の入口に下ろして声をかけた。
「信二さんかい、まあまあ」
寺田とめさんがハンカチで手を拭いながら出てきて、信二を良子の部屋に案内した。薄暗い部屋の片隅で良子は横になっていた。とめさんの石油ランプで照らされた良子の皮膚は、透きとおるほど白かった。髪の毛は赤く生...
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