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ブラジルは米国不法移民の出発点=安易な難民申請を悪用して

2024年7月9日

「米国不法入国の出発点としてブラジルを利用」と報じる6日付けジョルナル・ナショナルの一部
「米国不法入国の出発点としてブラジルを利用」と報じる6日付けジョルナル・ナショナルの一部

 ブラジルでの難民認定数が著しく増加しており、2023年には倍増した。だが多くの難民はブラジルに留まる意志を持っておらず、米国不法入国の出発点として利用していると6日付イン・マガジンなど(1)(2)が報じた。サンパウロ州空港で難民申請を行い、ボリビアなどの中継国9カ国を横断して米国を目指すのだが、このルートはベネズエラ人などの犯罪組織によって支配され、不法移民らは恐喝や暴力のリスクにさらされている。
 全てはグアルーリョス国際空港から始まる。この空港では、亡命を求める外国人が欧州からの便でやってくる。6月には主にインド人が難民登録システムの問題により空港内で野宿する事態となった。難民申請後に彼らは合法滞在となり、ブラジルのCPF(納税者番号)などの文書を取得し、公共サービスにアクセスできるようになる。だが、人知れず短期間で姿を消す。
 難民申請後、彼らはサンパウロ市中心部のホテルに約1週間滞在し、そこからバスでマット・グロッソ州カンポ・グランデ市に向かい、次にボリビアと国境を接するコルンバ市へと進む。市内でタクシー運転手やアプリのドライバーが移民を国境まで連れて行き、そこで国境警備が手薄なプエルト・キハロへ渡る。
 ボリビア入国後、不法移民らは米国入りを果たす前に、他の9カ国を通過する必要がある。中米へ向かうには、コロンビアとパナマの間の危険なジャングル「ダリエン地峡」を通る必要がある。ここは開発の手が及んでおらず犯罪組織の支配下に置かれ、高額な通行料が要求され、恐喝や暴力の標的とされる。
 険しい山々、流れの激しい川、ぬかるんだ小道を歩いて通過しなければならず、飲み水の不足や感染症が存在するため、旅はかなり危険だ。2023年には50万人以上が自然の脅威と人為的な暴力に直面しながらこの地峡を渡った。
 連邦検察庁によると、多くの不法移民がここで騙されて非人道的な状況に置かれ、強姦や暴行の報告が多数あるという。米国不法入国ルートをたどる人の多くは「米国に住めば金持ちになるだろう」と信じているという。
 連邦警察(PF)は法務省に対し、ブラジルでの難民申請における不正の可能性について警告を発した。2023年1〜6月にかけてグアルーリョス空港で8327人が難民申請を行ったが、うち117人しか手続きを継続していない。これは実に99・59%がブラジルを足掛かりにして別の国を目指した可能性を示している。
 連警は多くの外国人が米国移住の裏技として、ブラジルを一時避難所、南米大陸の出発点に利用していることを指摘し、難民申請の真の目的に沿った規制を求めている。


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