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小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=9

2024年7月23日

 平野通訳は鹿児島移民を主とした二十三家族を連れてグァタパラ・コーヒー園へ。鈴木貞次郎もグァタパラに近いサンマルチンニョ・コーヒー園へ鹿児島移民二十七家族の通訳になった。
 最後に仁平通訳が夫人と共に、中部地方出身者十五家族を連れて、ソブラード・コーヒー園へと出発した。

 この十日ほどは日本移民一色に塗りつぶされて所長以下応待に気をつかっていたサンパウロ移民収容所は、再び以前の落ちつきをとりもどした。
 最後の移民列車が奥地へ向って出発した日の午後、疲れ切った数家族のイタリア移民が奥地のコーヒー園から引き揚げて来た。若い人妻も、老人も混っていた。彼等は実に見す...

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