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Sabesp=民営化作業が完了=「伝説残す」とサンパウロ州知事=低い落札額に疑問の声も

2024年7月25日

Sabesp民営化のイベント(Rovena Rosa/Agencia Brasil)
Sabesp民営化のイベント(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 サンパウロ州政府は23日、サンパウロ州水道公社(Sabesp)民営化の手続きを終え、サンパウロ証券取引所(B3)でそれを祝うイベントを行った。タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)は水道料金などは安くなるというが、問題点を指摘する報道も行われている。
 国際財政コーポレーション(IFC)が行った研究によると、今回のSabespの民営化により、水道料金は、州内で130万人と想定される社会的弱者のグループに対して10%、一般世帯で1%、その他の分野で0・5%安くなるという。
 ラファエル・ベニーニ投資パートナーシップ局長はB3での民営化記念イベントで、「民営化で州政府が所有する株式数は減ったが、Sabespは州の資産であり続ける」と語り、Sabespのアンドレ・サルセド社長も、「リオ・グランデ・ド・スル州大水害の時にポルト・アレグレを援助したように、我々はいつでも民衆に寄り添う。それがSabespの精神であり、これは維持される」と述べている。
 ナタリア・レゼンデ環境インフラ局長も、「投資家たちはSabespの株の売買だけを行っている訳ではなく、質の向上に努め、国籍を超えた衛生プラットフォームを目指す。これは人々に届くためのプロジェクトなのだ」との言葉で民営化の目的を主張。タルシジオ知事も、「我々は容易でない道をあえて選んだ。しかしそれはより一貫性のあるものだ。我々は伝説を残すことを選んだのだ」とし、自身が知事選の公約に掲げてきた同社の民営化を改めて肯定した。(1)
 サンパウロ州政府は民営化により、料金値下げと、上下水道サービスの普遍化を2033年から2029年に早めることを目指している。Sabespはそのため、2029年までに690億レアル、2060年までに2600億レアルの投資を行う予定だ。
 サンパウロ州政府はこのように民営化で息巻いているが、今回の民営化に対しては批判も少なくない。最も問題視されているのは、州が民営化に伴う株式売却で調達した金額が見込み額を下回ったことだ。
 6月28日に行われた州保有株の一部(全体の15%)の入札にはエクトリアル社しか応じず、設定株価も、最終取引時の1株あたり88レアルを20%下回る67レアルだったため、売却総額は147億7千万レアルで終わった。
 その他の株(17%)は個人投資家1万7900人に分配され、15億レアルを立ち上げた。機関投資家(290のファンド)の87%は長期ファンドで、50%は国際ファンドだった。
 これに対し、サンパウロ市市長選でタルシジオ知事が推すリカルド・ヌーネス現市長(民主運動・MDB)と争うギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)は、「Sabespは昨年だけで350億レアルの収益があり、2024〜2028年の投資額も474億レアルのはずだが」と、不当に安く落札されたことに疑問を呈した。同氏はまた、アマパー州マカパーでのエクトリアル社の水道事業の実績例をあげて批判した。
 カルタ・カピタル誌(2)も、エクトリアル社の低額での落札に対し、「嘘のような話でさえある」と酷評している。
 フォーリャ紙(3)は、近年の水道事業民営化では最大の落札会社のAegea社が、水質で疑問視され、南マット・グロッソ州やアマゾナス州で訴えられている例を紹介している。


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