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ブラジル・中国外交樹立50周年祝う=サンパウロ市セントロで「中秋節」

2024年8月20日

中国獅子舞がイベントを盛り上げる(Foto:Divulgação)
中国獅子舞がイベントを盛り上げる(Foto:Divulgação)

 8月15日、ブラジルと中国は外交関係樹立50周年を迎え、両国の経済的結びつきも一層強化されている。この歴史的な節目を記念してブラジルでは様々なイベントが行われており、文化交流をさらに深めることが期待されていると19日付コレイオ・ブラジリエンセ(1)が報じた。
 ブラジルが中国共産党政権を正式に承認した決断は、当時の国際的な緊張の中で重要な転換点となった。1964年、ブラジルは米国の外交方針に沿い、ポルトガルのサラザール政権、アパルトヘイト体制の南アフリカ、台湾、イスラエルといった国々と連携していた。
 だが1974年、アゼレド・ダ・シルヴェイラ外相の下、軍事政権だったブラジルは共産主義の中国を公式に承認し、台湾との外交関係を断絶する決断を下した。この政策変更はブラジル外交の大きな転換点となった。
 シルヴェイラ外相は米国のキッシンジャー国務長官と親密な関係を保ちながらも、ブラジルの外交方針を根本から見直した。ポルトガルのアフリカ領土に対する立場を変更し、国連での投票をアラブ諸国側にシフト、イスラエル支持を撤回した。米国との軍事協定を解消してアンゴラとモザンビークの独立を承認。これにより、ブラジルと中国関係は急速に発展することとなった。
 外交関係の再開に際しては、ブラジル外務省本部の地下にある隠密な部屋で密かに準備が進められ、中国の代表団は記者の目に触れられることなく外相執務室に向かい、正式な調印が行われ、台湾との外交関係を断絶することが発表された。
 この措置により一部から激しい批判を招いた。だがブラジルと中国の通商関係は着実に強化され、2023年には両国間の貿易額が1570億ドルに達するなど、経済的な結びつきは深まっている。
 国交樹立50周年という特別な意義を持つ今年、9月14日と15日に「中秋月」がサンパウロ市セントロの3月25日街(Rua 25 de Março)で開催される。中国文化にとって重要な意味を持つこの祝賀行事は、その豊かな伝統をブラジルの人々と共有することを目的に、中国の伝統的な舞踊や音楽、工芸品の展示が行われると1日付ブラジル・トゥリスなど(2)(3)が報じた。
 第2回の開催となる今年の新たな見どころの一つは、中国金華市のアーティストグループによる壮観なパフォーマンスだ。もう一つの大きな目玉はラテンアメリカ最大級の「龍舞」と、ブラジルと中国が共に歩んだ50年の歴史を50種類の衣装で表現した「獅子舞」が披露され、両国の長い友好関係を象徴することだ。
 他にも武道や民俗舞踊、伝統的な「月餅」をはじめとする中国料理を味わう機会など、多彩な文化イベントが用意されている。会場は中国ランタンなどの伝統的な装飾が施され、来場者には中国にいるかのような体験が提供される。
 ブラジルでの中秋節は単なる中国文化の祝典にとどまらず、異文化交流と理解、多文化主義の促進を目指すものだという。3月25日街がその多様性と国際性を反映し、相互理解と包摂の重要性を強調している。中国・ブラジル慈善協会のヴィトール・ジュ副会長は「中国コミュニティはブラジル社会との絆を深め、両国の文化的伝統の尊重と多様性の促進を図る機会となることを期待している」と述べた。
 イベントは無料で9月14日(土)は10時~21時、15日(日)は10時~18時まで。詳細は公式インスタグラム(https://www.instagram.com/festivaldaluachines/)で。


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