site.title

小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=27

2024年8月28日

「アッ、そうか」
 運平は大笑いした。
 周平も一緒に笑った。ホッホッと甲高い声で笑う人だった。
「それで、平野君。お願いがある」
 周平は顔色を改めた。
「今迄どうやら無事なのは此処だけだ。君の力で何とか此処だけは散逸を喰いとめて欲しい。第一回のブラジル移民が実現するまでに、どれほど多くの人間の努力が尽やされたか、君も知っているだろう。この経験を生かして、第二回、第三回と移民を成功させるのが私たちの使命だと思っている。しかし、ここが崩れたら、おそらくもう移民事業は途絶するだろう。すでに、ペトロポリスの公使館は移民不許可にするべしとの意見を外務省に打電した...

会員限定

有料会員限定コンテンツ

この記事の続きは有料会員限定コンテンツです。閲覧するには記事閲覧権限の取得が必要です。

認証情報を確認中...

有料記事閲覧について:
PDF会員は月に1記事まで、WEB/PDF会員はすべての有料記事を閲覧できます。

PDF会員の方へ:
すでにログインしている場合は、「今すぐ記事を読む」ボタンをクリックすると記事を閲覧できます。サーバー側で認証状態を確認できない場合でも、このボタンから直接アクセスできます。

Loading...