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中国=23年の対ブラジル投資が33%増=それでも22年に次ぐ低水準

2024年9月5日

2023年4月、習近平国家主席(左)に迎えられたルーラ大統領(右)(Foto: Ricardo Stuckert/PR)
2023年4月、習近平国家主席(左)に迎えられたルーラ大統領(右)(Foto: Ricardo Stuckert/PR)

 ブラジル・中国ビジネス評議会(CEBC)のデータによると、ルーラ政権(労働者党・PT)初年度の2023年の中国の対ブラジル投資は総額17億3千万ドルに達し、ボルソナロ前政権(自由党・PL)最終年の2022年と比較して33%増加した。3日付ポデール360など(1)(2)が報じた。
 ブラジル中央銀行によると、23年の対ブラジル外国投資は総額620億ドルで、全体では前年比で17%減少したにもかかわらず、中国からの投資は増加した。
 ただし、23年の中国からの投資額は、2009年以降では2022年の13億ドルに次ぐ2番目に低いもので、依然として低い水準に留まっている。
 中国は23年、ブラジルで29のプロジェクトに投資した。17年以降、新型コロナウイルスのパンデミックによって外国投資の流れが冷え込んだ2020年を除けば、24〜32の間で変動しながら高水準を維持している。一方、近年の年間投資額は減少している。20〜23年の拠出額は年平均27億1千ドルで、2016〜19年の平均の65億3千ドルより58%低い。
 調査によれば、中国からの投資の減少は、ブラジルにおける資本集約型プロジェクトの減少が原因で、為替要因も影響している。中国の投資額が130億ドルに達した2010年の為替は、1ドル=1・76レだった。2015〜17年にかけての投資額は70億〜88億ドルの範囲で推移しており、平均為替レートは1ドル=3・33レだった。ブラジル通貨は20〜23年にかけて大幅に下落し、平均レートは1ドル=5・18レに達した。
 ブラジリア大学(UNB)のジョルジュ・アルバシェ経済学教授は、両国間の商取引における中国の存在感の強化が、中国からの対ブラジル投資の促進要因になり得ると説明した。
 23年に中国からの投資を最も受けた分野は電力部門で、全体の39%を占めた。中国は同年、風力、太陽光、水力発電の各分野で、総額6億6800万ドルを投資した。電力インフラへの投資の加速は、中国国営電力会社「国家電網公司(ステート・グリッド)」がブラジルに進出したことに関連している。同社はパラー州のベロ・モンテ水力発電所の送電線建設に携わり、12月に行われた送電線の入札で主要ロットを落札した。
 投資を引き寄せたもう一つの分野は自動車製造部門で、22年比で56%増となる5億6800万ドルを調達した。同部門への投資のシェアは33%で、前年より5%ポイント増加した。この分野への投資増は、自動車メーカーのGWMがサンパウロ州内陸部のイラセマポリス工場に継続投資したこと、BYDがバイア州カマサリにあるフォード旧工業を買収し、電気自動車とハイブリッド車の生産、リチウムとリン酸鉄の加工を開始したことが主な要因だ。
 中国からの投資額は減っているが、23年の同国からの投資額上位10カ国で見ると、ブラジルは前年と同じ9位で、ボリビアを上回った。
 近年の中国の投資先を見ると、発展途上国の割合が増加している。23年に中国からの投資を受けた上位10カ国中、9カ国が発展途上国だった。2018年〜22年は上位10カ国中、4〜6カ国のみだった。研究者らは、従来の中国は資本投入先として発展途上国より先進国を優先してきたが、明確な変化が見られると指摘している。


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