ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(3)
筆者は南樹を、その一人ではないか、と疑ったのである。さらに(先人たちに対して無礼ではないか!)という不快感を、心中、覚えてもいた。
そういう次第であったが、どういうわけか、この時のことが、以後、気になり続けた。
その内、何かの機会に、古い資料類に目を通している時、自分が大変な間違いを犯していたことを知った。なかんずく恥じたのが(先人たちに対して無礼ではないか!)と不快感を覚えた点である。
というのは、実は南樹は水野とは同時、上塚、平野よりは先にブラジルの土を踏んでいたのだ。
南樹のそれは、なんと一九〇六(明39)年で、日露戦争が終わった翌年である。...
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