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Selic=全員一致で10・75%へ=ルーラ政権初の金利引上げ

2024年9月20日

ロベルト・カンポス・ネット現中銀総裁(右)とガブリエル・ガリポロ次期総裁(左)(18日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)
ロベルト・カンポス・ネット現中銀総裁(右)とガブリエル・ガリポロ次期総裁(左)(18日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)

 中銀通貨政策委員会(Copom)は18日、経済基本金利(Selic)を0・25%ポイント(pp)引き上げ、年率10・75%とすることを全会一致で決定した。これは第3期ルーラ政権で初の引き上げだ。引き上げサイクル再開は、ガブリエル・ガリポロ氏が次期中銀総裁に指名されたことに後押しされ、同氏の経済政策における方向性の変化は市場に好意的に受け入れられ、今後は金利の緩やかな利上げが期待されていると、18日付オ・グローボ紙(1)が報じた。
 昨年8月に始まったSelic引き下げサイクルは5月に中断され、今決定により上昇サイクルに移った。中銀は会合後、利上げサイクルを開始したことを明らかにしたが、利上げペースや調整幅については明言せず、さらなる引き上げの可能性を残した。
 また、現在のシナリオは、経済活動の回復力、労働市場の圧力、潜在力以上の経済活動によるプラスの産出ギャップ、インフレ予測上昇、インフレ予測が目標から乖離していくという特徴があるため、「金融政策の引き締めが求められる」と述べた。
 2026年第1四半期のインフレ予測は3・5%で、目標の3・0%を相当上回っている。前回会合では、Selic維持なら3・2%、来年末は9・5%まで引き下げという前提なら3・4%と予測されていた。
 中銀は、第2四半期の国内総生産(GDP)の1・4%増に驚き、経済の潜在能力を再評価した。上向きのインフレリスクは下向きのリスク以上で、長期間のインフレ予測が動き始めたことや、受給ギャップ縮小によるサービスインフレの強さなどが特記されている。財政的な不確実性が為替に影響を与えていることも認識されており、信頼性のある財政政策がインフレ予測に寄与すると述べた。
 一方で、世界経済の急速な減速や金融引き締めの影響もリスク要因と見られている。18日は米国連邦準備制度(FRB)が、政策金利の0・50pp引き下げを決定。Copomは、主要経済諸国の中銀がインフレ率の目標達成に向けて努力していることを評価し、国際的な政策サイクルの同期の欠如が新興国に慎重な環境を求めていると強調した。
 Copomは7月、インフレ予測の高まりやリスクの増加を懸念し、金利引き上げの可能性を残していた。「委員会は、必要と判断すればインフレを目標に収束させるために金利を引き上げることをためらわない」と述べ、データを基に慎重に決定すると説明していた。
 ガリポロ氏はその後、Copom内での態度を変え、強硬なインフレ対策に同調する姿勢を示しており、市場では、彼が政府の低金利への圧力に屈しないのではないかとの期待が高まっている。今回は、ルーラ大統領も金利引き上げの必要性を認めた。
 ロベルト・カンポス・ネット現総裁は同日、今後の金利引き上げは「徐々に行われるだろう」と述べたが、エコノミストらはペースが加速する可能性が高いと見て、次のように指摘している。
 パイン銀行のクリスチアーノ・オリヴェイラ氏は、声明は厳しい内容で、次回会合では0・50ppの引き上げが適切であるとの見方を示した。彼は今回の0・25ppの選択はメンバー間のコンセンサスを重視した結果とし、詳細は議事録で明確にされるべきだと強調した。
 トラスト・インヴェスチメントスのアルトゥール・カルヴァーリョ氏は、中銀が金利引き上げのペースやサイクルの大きさについて明確な約束をしていないと指摘し、次回の会合が行われる11月には0・50ppの引き上げが有力だと考えている。
 また、Copomが財政政策に関する市場の認識が資産価格に影響を与えていると繰り返し述べたことから、政府の政策に対する警告を示しているとも指摘。次期総裁の任命を通じてインフレ目標への強いコミットメントが示され、彼のリーダーシップの下での団結が期待されているとも述べた。


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